引用元:filmarks.com
「ポンジ・スキーム」と呼ばれる投資詐欺
ポンジとは1910-1920年代に活躍(?)したアメリカの詐欺師で
「あなたのお金を預けれくれれば、私が運用して必ず配当金を払います」
という文句で、(実際には運用はせず)新たな投資者からのお金を配当金と偽り支払うというもの
当然、この仕組みは一切の利益を生まないので、新たな出資者が途絶えたり、既存の出資者から多額の返還を求められると破綻するけれど、この手法で驚くほどの資金を集めた実業家(詐欺師)バーナード・マドフの実話をもとにした作品
2008年、証券投資会社の会長であるマドフ(ロバート・デ・ニーロ)は、妻のルース(ミシェル・ファイファー)や、同社で重要なポストに就いているふたりの息子に告白をする
それは「この数十年間、顧客を騙し続けて、650億ドルを破綻させてしまった」というもの
マドフ逮捕という衝撃のニュースは、全米を越え世界に流され、数多くの被害者からの怒りは、マドフ本人だけでなく家族にも向けられる
というハイライトが冒頭にあり、マドフが一大組織を作り上げるまでの過程と、逮捕後の混乱を交差させながら展開していく構成
途中で「ここから最後までどうやって持たせるんだろう?」と心配してしまったけれど、起承転結以外の人間ドラマもしっかり描かれていて(むしろそちらの方が)面白かった
ちなみに実際のマドフは、1960年に証券会社を設立し、そこから徐々に会社を発展させて、ウォール街でもトップクラスのマーケットメイカー事業を展開し、一時はNASDAQの非常勤会長まで務めた
被害総額は、650億ドルとも言われ、スピルバーグ監督や、俳優のケビン・ベーコン、日本では野村證券や複数の生命保険会社なども被害を受けている
破綻のきっかけは「サブプライムローン危機」による株価の暴落を受けて、多数の投資家から払い戻しを求められたことによるけれど、もしもサブプライム問題が起きていなかったら、果たしてこの稀代の詐欺師はどうなっていたのだろう?
明日は、都心から2時間、という距離について考えてしまう映画をご紹介