無人島シネマ

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1454. 嘘の天才 史上最大の金融詐欺 ウィザード・オブ・ライズ

引用元:filmarks.com

 

ポンジ・スキーム」と呼ばれる投資詐欺

 

ポンジとは1910-1920年代に活躍(?)したアメリカの詐欺師で

 

「あなたのお金を預けれくれれば、私が運用して必ず配当金を払います」

 

という文句で、(実際には運用はせず)新たな投資者からのお金を配当金と偽り支払うというもの

 

当然、この仕組みは一切の利益を生まないので、新たな出資者が途絶えたり、既存の出資者から多額の返還を求められると破綻するけれど、この手法で驚くほどの資金を集めた実業家(詐欺師)バーナード・マドフの実話をもとにした作品

 

 

 

 

2008年、証券投資会社の会長であるマドフロバート・デ・ニーロ)は、妻のルース(ミシェル・ファイファー)や、同社で重要なポストに就いているふたりの息子に告白をする

 

それは「この数十年間、顧客を騙し続けて、650億ドルを破綻させてしまった」というもの

 

 

 

マドフ逮捕という衝撃のニュースは、全米を越え世界に流され、数多くの被害者からの怒りは、マドフ本人だけでなく家族にも向けられる

 

というハイライトが冒頭にあり、マドフが一大組織を作り上げるまでの過程と、逮捕後の混乱を交差させながら展開していく構成

 

途中で「ここから最後までどうやって持たせるんだろう?」と心配してしまったけれど、起承転結以外の人間ドラマもしっかり描かれていて(むしろそちらの方が)面白かった

 

 

 

 

ちなみに実際のマドフは、1960年に証券会社を設立し、そこから徐々に会社を発展させて、ウォール街でもトップクラスのマーケットメイカー事業を展開し、一時はNASDAQの非常勤会長まで務めた

 

被害総額は、650億ドルとも言われ、スピルバーグ監督や、俳優のケビン・ベーコン、日本では野村證券や複数の生命保険会社なども被害を受けている

 

破綻のきっかけは「サブプライムローン危機」による株価の暴落を受けて、多数の投資家から払い戻しを求められたことによるけれど、もしもサブプライム問題が起きていなかったら、果たしてこの稀代の詐欺師はどうなっていたのだろう?

 

 

明日は、都心から2時間、という距離について考えてしまう映画をご紹介

 

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