無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

787. エル ELLE

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引用元:amazon.co.jp

 

2016年のフランス・ベルギー・ドイツ映画

 

 

ゲーム会社の社長であるミシェル(イザベル・ユペール

 

会社では結構なワンマン経営ぶりの彼女は、周囲の社員から恐れられまた多少嫌われてもいる

 

彼女の父親は、まだ彼女が幼かった頃に連続殺人を犯した罪で服役している

 

ミシェルはその時のトラウマで警察とメディアを極端に避けるようになっていた

 

ある日の午後、ミシェルが自宅で過ごしているとマスクを被った何者かにレイプされてしまう

 

部屋を片付け、シャワーを浴び、病院で検査を受けるも警察に行こうとはしないミシェル

 

また別の日にはカフェで「クズ、あんたも父親も」と(食べ終わった食器を)ぶちまけられてしまう

 

最近、父親の仮釈放申請のニュースがメディアに扱われていることもあって(レイプされたのも)殺人事件の被害者家族からの攻撃かもしれないところ、ミシェルは身内(社内)の犯行を疑う

 

 

ビジネスでは成功しながらもプライベートではトラブルの続く不幸な女性、という印象のミシェル

 

しかし、母親や元夫、会社の社員たち、友人、そして息子(とそのフィアンセ)と、身の回りのほとんど全員と屈折した関係にあることから(その原因はさておき)ミシェル本人が抱えている闇が相当なものだということが判ってくる

 

このミシェルという、常識のあるオトナに見えて中身はかなり破綻している中年女性をイザベル・ユペールが見事に演じている

 

埋もれていた名作「WANDA / ワンダ」の配給権を買い取ったり、映画への愛情を感じさせる人でもある

 

気の強い社長、心配性な母親、愛想のない元嫁、魅力的な親友、辛辣な娘、どの彼女も魅力的でずっと観ていたい作品

 

 

 

明日は、9月30日にちなんだ作品を紹介します