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1942年ということはヒッチコックがハリウッドに行く前?後?と、一瞬考えてしまったけれど、彼のハリウッド期は1939年からなので、本作はもうアメリカ映画
原題は「Saboteur」(破壊工作)
ちなみにヒッチコック監督作品(イギリス期)には「Sabotage」(1936年)という作品があるけれど、まったくの別モノ
バリー・ケイン(ロバート・カミングス)は、親友のメイソンと共にカリフォルニアの飛行機製造会社で働いている
ある日、その工場で火災が発生し、ケインは近くの男(ノーマン・ロイド)から手渡された消火器を、消火作業に向かおうとするメイソンに手渡す
ところがその消火器にはガソリンが入っていたことで被害が拡大、ケインは破壊工作の疑いをかけられてしまう(この辺りのストーリーは1942年の映画らしい)
ケインに消火器を手渡した男は、その直前に落とし物をしたことでメイソンと三人で少し話をしており、ケインは(男が落とした封筒の宛名から)名前がフライであること、そしてディープ・スプリング牧場という地名に関係していることを記憶していた
その話を警察に訴えるも、そういう名前の従業員は存在しておらず、ディープ・スプリング牧場で訪ねても、そんな男は知らないと言われてしまう
いわゆる巻き込まれ型の作品で、ラストの自由の女神のシーンまで一気に楽しめる快作ながら、前半と後半の印象が変わる不自然さを感じさせる(もっと自然に繋がっていたら彼の代表作になっていても不思議はない)
それにしてもラストシーンのスリリングなこと
1942年の作品を観て足がすくむなんて、まさに撮影技術とセンスの妙
明日は、1910年のシカゴが舞台の映画を紹介します