2020年にコロナが始まってからというもの、我ながら異常なペースで映画を観続けてきた
ステイホーム期間も明けて、すっかり週4~5日出勤という生活になってからも、大幅にペースダウンすることなく、むしろ劇場に行けるようになった分、より充実した映画生活
いくら観ても、興味が尽きることはないし、むしろ観れば観るだけ関連した作品を観たくなるという毎日だった
ところが、2024年が始まって暫くしてから、突如としてペースダウン
「この辺りで、映画から離れようか」
などという意識もまったく無いまま、気が付けば映画を1つも観ない週さえあった
確かにいつもよりは忙しい時期ではあったけれど、それが理由というよりは、ここ数年の反動というのが正解に近い気がする
混雑するGW中の映画館は避けたいと思っていたけれど、最寄り駅にある映画館で朝8時台の上映なら大丈夫だろうと、久しぶりに(ちょっと前の)話題作を観に劇場へ
アメリカの物理学者であるロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィ)は、第二次世界大戦の最中、政府の主導する核開発、いわゆるマンハッタン計画のプロジェクト委員長に任命される
当初は、最高の頭脳と野心が終結した環境で、世界平和の為にナチスドイツに先んじて核開発を行うという大義名分に、寝食を忘れ邁進する毎日を送っていた
ところが、ヒットラーの自決からドイツや日本の降伏の可能性が色濃くなった頃から、果たしてこれは誰のための研究で、これから先に何が起こるのか?という疑問がオッペンハイマーの頭の中で肥大化していく
アメリカ大統領をはじめ世界中の誰にもできない、しかもそれによって世界の秩序を歪めてしまう、そして何よりも多くの人命を奪ってしまうであろう開発が、自らの手に委ねられているという大きな危険
そして彼は、国の命によって開発した原子力爆弾を生んだ張本人として、賞賛されると同時にバッシングされる
自分が日本人だからという理由ではなく、とても100%の娯楽映画として楽しむことはできないけれど、改めて戦争の愚かさ(ひとりの物理学者が核を持つべきか否か、使うべきか否か、等の決断に振り回されてしまう状況だけを取り上げてみても)を認識する機会になった
と同時に、本作がアカデミー賞を総ナメしたことについては、(内容的にというよりも政治的に)納得という印象
明日は、ブルドッグに無理なお願いをする映画をご紹介