もうコロナ関係なく、満員の映画館には(出来ることなら)行きたくないので、平日の夜の回にて鑑賞
その甲斐あって、前後左右2席以上空いた席で観ることができた
今回は新海誠の他の監督作品をおさらいしたり、本作の情報を可能な限り耳に入れない様に(そしてかなり期待)して劇場に向かったけれど、始まって数分で違和感があり「何だか嫌な予感がする」と思いながら鑑賞
その違和感というのは、話の展開に必然性が無さ過ぎて、以前「雲のむこう、約束の場所」で書いた「つき合わされている感」がずっと続いたこと
アニメーションにしか描けない云々は理解するけれど、「どんな展開にも飛べますよ」とでも言うかの様な振り回され方に、気持ちが追いつかなかった
まるで「作り手の手持ちのカードが全部ジョーカー」という状況でトランプをしている様な感覚
こんなに大ヒットしているのに、素直に受け入れられないのは、自分が歪んでるんだろうなと諦めて、中座も検討しかけた(時間で言えば中間辺り)ところ、
後半に入って、それまでの断片の回収的な流れも始まり、また「つき合わされてきた」耐性が出来た(?)こともあって、以降は一気にストーリーに引き込まれてしまった
必然性の無い展開や、東日本大震災を連想させる風景(どうしてもう少し抽象化しなかったのか?)に、複雑な気持ちに何度もなりながらも、観終わって映画館を出る時には心身共に軽く感じられるほど、約2時間揺さぶられ続けた心地良い疲労を感じていた
途中で青臭いコジらせ的な反応を示しながらも、最後には作者の意図する通りにキッチリと料理されてしまった感があって、いいオトナが恥ずかしい思いをしたことはキレイに忘れたい
振り回されること自体は心地良いハズもなく複雑ではあるし、こうした作者からのチャレンジが受け入れられなければ「否」とする意思も大事だろう
と同時に、多少の屈辱感があろうとも、その先に心を震わせる感動がある時には、「否」とした判断に縛られるべきではないな、と多少の自己弁護も込めて思う(ちなみに散々振り回された甲斐もあり「君に名は。」や「天気の子」よりもスケール感のある仕上がりになっている)
このブログは、基本的にはネタバレしないように、途中までのあらすじと感想(に加えて雑記)という形式のレビューにしているけれど、今回はストーリーに一言も触れていないから、レビューですらない
この先、何度も観るだろうけれど、劇場公開している間にもう一度観たい