無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1435. 血は渇いている

引用元:fod.fujitv.co.jp

業績悪化を理由に、社員たちに解雇を宣告していた東洋毛織

 

社員のひとり、木口(佐田啓二)は、父親の遺品の拳銃を手に、社長に近づき

 

「私はどうなってもいい 皆を救って欲しい」と訴え、自殺しようとする

 

傍にいたベテラン社員の金井(織田政雄)が防いだお陰で、木口は一命をとりとめたが、この一件は社会問題として大きく報道されることになる

 

 

これに目を付けたのが、生命会社の広報課に勤めるユキ(芳村真理)だった

 

ユキは、木口を金井とセットで、自社の広告宣伝に起用すべく上層部に掛け合い、了承を得る

 

「自分は、人前に出るタイプではないから」と出演を渋る木口にも、妻(岩崎加根子)を先に攻略することで了承させてしまう

 

拳銃をこめかみに当てた木口の広告は、当初は不安視されたものの、開始直後から爆発的な新規保険加入者の増加を記録する大ヒットとなる

 

 

 

東洋毛織 vs. 木口、昭和生命 vs. 木口という、会社対個人の関係、一躍「時の人」となった木口に熱狂する民衆と、強烈に反発し足を引っ張ろうとする者、自身の市場価値に気づくと同時に、自身を見失っていく木口など、面白いテーマが、ストーリーの中に自然と混在している(脚本も吉田喜重

 

 

同年公開の「太陽の墓場」では、大阪の釜ヶ崎が舞台

 

切り口によって、同じ年の日本映画でも随分印象が異なるのも面白い

 

 

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