引用元:filmarks.com
1976年のアメリカ映画
「ペーパー・ムーン」のピーター・ボグダノヴィッチが監督し、同作で共演したライアン・オニールとテイタム・オニール父娘が再び出演している
タイトルのニッケルオデオンとは、ニッケル(5セント)オデオン(ギリシャ語で「劇場」)を掛け合わせた造語で、20世紀初頭のアメリカで流行った小規模で庶民的な映画(館)のこと
舞台は1910年のシカゴ
弁護士のレオ(ライアン・オニール)は、通りがかりの騒がしい建物が気になって覗いたばかりに、キネクラブという名の映画会社から脚本書きの仕事を与えられる
その小規模な映画会社は、作品の概要も先のストーリーも知らされないまま、1シーン毎の監督の指示に従う形式で、皆が常に慌ただしく働いていた
当時の映画界は、こうした独立系の中小映画会社と、別の事業で成功した資金を元に映画に手を伸ばす大手映画会社がしのぎを削っていた
そんな中、レオは汽車の中でキャスリーン(ジェーン・ヒッチコック)という女優に会い一目惚れする
これからニューヨークに移動するという彼女とは、その場で別れてしまったものの、後日衣装屋のバック(バート・レイノルズ)という男と一緒にレオがいる撮影現場にやってくる
レオはキャスリーンをヒロインに、そしてスター性を感じさせるバックを主役に、そして現場にいた不愛想な少女アリス(テイタム・オニール)をスタッフに採用して映画を撮り始める
本作中に
「やがて長編映画の時代がやってくる」
「そんな一時間も客が座っていられるか」
というやりとりがある
それくらい当時は15-20分程度の作品が主流だったという事実なのだろう
しかし通常3本の違う話をまとめて上映していたというから、客の忍耐というよりも、音楽や台詞が映像と一緒にフィルムにできなかった技術的な要因も大きいのではないだろうか
最近の様に、再生速度を上げたり、要約されたものを観るくらいなら、15-20分の映画が再び流行すれば良いのにとも思う
明日は、ずっとタイトルが気になっていた作品をご紹介