無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

995. 父、帰る

引用元:filmarks.com

 

2003年のロシア映画

 

監督は「ラブレス」のアンドレイ・ズビャギンツェフ

 

 

母と祖母と四人で暮らしているイワンとアンドレイ兄弟

 

父のことは写真でしか知らない

 

ある日、学校でいつものように他愛ない兄弟喧嘩を始めたまま駆け足で帰宅し、自宅前で煙草をふかしている母に

 

「イワンが先に手を出した」

アンドレイが殴った」

 

とお互いが訴えていると、母親から

 

「静かにしなさい、お父さんが寝ているから」


と言われる

 

 

こっそり部屋を覗きに行くと、そこで寝ているのは写真と同じ顔の男だった

 

しばらくして目覚めたその男は、翌朝二人を連れて旅に出ると言う

 

12年振りに帰ってきた初めて会った男に、行き先も告げられず支度しろと言われ、二人は複雑な心境になる

 

それでも兄のアンドレイは友好的な態度で接するが、兄よりも負けん気の強い弟のイワンは、途中で怒りをぶちまけてしまう

 

 

この旅というのが、かなり乱暴なもので、アンドレイにはともかくイワンには無理がある(いえ、アンドレイどころかオトナでも危険なものだろう)

 

初めて接する子供たちに忘れられない経験をさせてやりたかったのか、父親らしいことがしたかったのか、動機はともかくこれは虐待でしかない

 

 

 

そして最後には思わぬ結末、、、この展開にも驚いたけれど、これが起こり得る環境にあるロシアにも(昭和の映画ならいざ知らず)驚かされる

 

撮影が行われたのはラドガ湖及びその周辺ということなのだけれど、フィンランドとの国境に近い欧州最大のこの湖は、元々フィンランドソ連の国境だったものを冬戦争と継続戦争の結果、全域がソ連領となっている

 

 

明日は、ブルガリア映画をご紹介

 

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