無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1089. 東京夜曲

f:id:desertislandmovie:20210102190005j:plain

引用元:amazon.co.jp

 

1997年の市川準監督作品

 

 

東京の上宿商店街に住む家族を置いて、数年前に家を出て行った浜中(長塚京三)が、数年振りにふらっと帰ってきた

 

妻の久子(倍賞美津子)は浜中を責めることもなく、何事もなかったかのように迎え入れる(先日観た「波紋」とは違って)

 

向かいの喫茶店に出入りする常連のひとり久子をひそかに想っている青年朝倉(上川隆也)は、そんな浜中を許せず彼の過去を調べ始める

 

すると、喫茶店を営むタミ(桃井かおり)と浜中が昔つきあっていたことがわかり

 

 

 

 

 

時代は特定されていないけれど、黙って家に帰ってきた浜中が実家の電気店をゲーム屋に替えるシーンにセガサターンが映っているから90年代後半、設定としては現代なのだろう

 

その割に描かれる人たちのつながりが(舞台が東京下町とはいえ)色濃く、互いの暮らしぶりや心持ちに興味があり過ぎて、エンドロールに高田渡の「さびしいといま」が流れてきた時に違和感を感じた

 

作品そのものは観応えあったけれど、あまりに「昭和な」内容に「いっそのことそういう時代設定にすれば良かったのに」と思う

 

高い評価を受けている作品なので、気にしすぎかもしれないけれど、タミの「お茶漬け食べてかない?」という台詞にも狙い過ぎた感じがして少し萎えてしまう

 

 

長塚京三桃井かおり倍賞美津子らの安定した演技の中で、大人たちの色恋に若者の空回り的に不器用で場違いな関わり方をする役の上川隆也は大健闘

 

 

 

明日は、ヒトにお願いする時のエネルギーが凄い映画をご紹介