無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

572. コンパートメント No.6

 

いつかしてみたい旅のひとつに「シベリア鉄道に乗ってのロシア横断」がある

 

 

モスクワからウラジオストックまでの9,259km

 

途中で退屈するかもしれないし、1等席以外はシャワーが無いし、一気に走っても1週間かかるし、なかなか大変そうではあるけれど、何と言ってもロマンがある

 

もちろん働いている身では、そんな日数かけられないし、そもそも今はロシアには行けないけれど

 

 

 

 

せめて映画でも、ということで(シベリア鉄道ではないけれど)モスクワから、世界で一番北にあるムルマンスク駅まで旅する本作を鑑賞(@新宿シネマカリテ)

 

監督は「オリ・マキの人生で最も幸せな日」(今まで観た中で最高のボクシング映画)のユホ・クオスマネン

 

 

 

 

時は1990年代の初頭

 

モスクワで考古学を学んでいる、フィンランドからきた学生のラウラ(セイディ・ハーラ)は、ムルマンスクという町(下図)にあるペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く

 

 

恋人のイリーナと、女性同士仲良く旅をするつもりだったが、彼女に急な仕事が入ってしまい、やむなくひとりで行くことに

 

乗り込んだ寝台列車の6号室には、ロシア人のリョーハ(ユーリー・ボリソフ)という、柄の悪い男がいた

 

酒を煽り、コチラが嫌がっていても、お構い無しに話しかけてくる(かなり失礼な内容)リョーハにうんざりしたラウラは、車掌に賄賂をチラつかせて不満を訴えるも、相手にされず、仕方なく食堂車で時間を潰す

 

 

その後も、リョーハにしつこく絡まれたり、助けてやったフィンランド人に騙されたり、途中の駅で電話した恋人にはつれなくされたり、旅をしながら体験する「辛いこと」の連続

 

辛いことを経験する為に旅をしているつもりは無いけれど、快適でトラブルの一切無い旅も味気無く、旅したくなる気持ちの中には、潜在的にこういう体験を求めている部分もある気がする

 

気心知れた同行者も良いけれど、できればよく知らない国から来た旅行者と、いろいろ話をしながら旅してみたい

 

 

明日は、上映中のパク・チャヌク監督のサスペンス映画をご紹介

 

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