無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

994. さすらいの女神たち

引用元:amazon.co.jp

 

バーレスク

 

という言葉は聞いたことはあるけれど、何を指すものか知らなかった

 

調べてみると、「有名な作品のスタイルを滑稽に描く文学・戯曲・音楽のジャンル」とある

 

元々イタリア語のburlesco (burla)には、冗談、嘲りなどの意味があるというから、こういう「みんなが知っている作品を面白おかしく表現する芸」というのは古今東西存在しているということなのだろう

 

アメリカではバラエティ・ショー形式による見世物を指し、劇場やキャバレー、クラブでコメディとストリップなどを織り交ぜていたものが、1990年以降は衰退していたバーレスクを新しい解釈でリバイバルさせた「ニュー・バーレスク」として再び脚光を浴びるようになる

 

日本のショーパブも、このウチのひとつに入るのだろう

 

 

 

 

フランスの落ち目のテレビ・プロデューサー、ジョアキム(マチュー・アマルリック

 

再起をかけてアメリカのショーガールを連れて「ニュー・バーレスク」のフランス巡業を始める

 

そのショーは各地でまずまずの結果ながら、パリ公演がいつまでも開催出来ないでいた

 

その理由は、ジョアキムの過去の行いや評判そしてプライドの高さで、周囲から敬遠されていた

 

 

 

ロードムービーと呼ばれる映画は数多くあるけれど、移動していながらもストーリーに起承転結がある良心的(?)なロードムービーも多い

 

そういう意味では、本作は移動する様を唯々カメラに収めていて、これこそロードムービーという感じ

 

監督、脚本を務めたマチュー・アマルリックが演じるジョアキムが、まったく感じ悪い

 

どこでもタバコを吸い続け、ホテルや店に入っては音楽やテレビの音がうるさいとクレームをつけ、共に巡業しているダンサーたちにもつい憎まれ口を叩く

 

しかしそれほどリスペクトされているわけでもなく、やんわりいなされたり、言い返されたりする毎日で、ジョアキムなりに厳しい現実を受け入れ(改心することなく)巡業を続ける中で、メンバーたちとの関係を築いていく

 

 

明日は、2003年公開のロシア映画をご紹介

 

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