無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1000. 千年の愉楽

引用元:amazon.co.jp

 

舞台は和歌山県の海沿いの町

 

地元民から「路地」と呼ばれる被差別部落で、女性たちに愉楽を与える美しい容姿でありながらも、早死を運命づけられている中本(なかもと)と呼ばれる男たちがいた

 

産婆のオリョウ(寺島しのぶ)は、この土地で何人もの中本の子が生まれるのを取り上げてきた

 

最初に取り上げたのは、母子家庭に生まれた半蔵(高良健吾

 

生まれて半年後には母親にも逃げられ、それからは路地の家を転々としながら成長し、10代後半に地元を離れてしまう

 

暫くして、大阪で知り合ったという身重の女性ユキノ(石橋杏奈)と一緒に帰ってきた半蔵は、再び路地で暮らすことに

 

この朗報に安心するオリョウだったが、ある日半蔵が他の(夫が居る)女に手を出しているという噂を耳にする

 

悪い予感は的中し、半蔵は女の夫に刺され死んでしまう

 

 

 

 

和歌山県新宮市出身の中上健次の小説が原作

 

映画では、時代感が掴み難く、ストーリーに入り込むのに時間がかかるけれど、強烈な吸引力に圧倒され、本作を鑑賞した後に小説を読んだ

 

 

時代が変わり、人間はより快適に、整ったルールや概念に守られて、生活するようになった

 

結婚や出産も、その中でする自由もあれば、しない自由も選べるように

 

この映画を観ると、遥かそれ以前の原始的な出産を見せつけられているような感覚になってしまうけれど、現代では感じ難くなった出産の本質(ひとりの人間が生まれるということ)とは何か、について考えさせられる

 

 

明日もまた、鑑賞本数にちなんだ映画をご紹介

 

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