2012年の作品
吉田浩太の監督、脚本
オチキ(堕ち期)とは、人間が生きている中で、もっともツイていない周期
という説明から、あまりストーリーには期待していなかったけれど、ENBUゼミナール出身の俳優の卵たちが出演している、という説明に惹かれて鑑賞
ENBUゼミナールとは、1998年に演劇コース、2000年から(映画監督、俳優)養成コースを設け、2011年からその卒業生の活躍の場としてプロジェクトベースで映画を制作している学びの場(その第七弾が、大ヒットした「カメラを止めるな!」)
「カメラを止めるな!」は好みではなかったけれど、ヒットに至る現象は、映画ファンとして嬉しいニュースだった
本作は、繋がりのある5つのチャプターに分かれている
堕ちていくメインの人物は
サクラ(木乃江祐希):冴えないキーボード奏者のぶ子とユニットを組んで、路上で歌っているシンガー
成瀬(関寛之):アイドルのマネージャーをしているが、とにかく無責任でだらしがない
ユニットの単独ライブ開催も決まって、路上ライブにも自然と熱が入っていたサクラだったが、そんな矢先に妊娠してしまう
メジャーになれるかもしれない大事な時期だと、そもそも出産する選択肢を持たないサクラは、ファンとして知り合い、その後つき合い始めた木村(鈴木一成)に堕胎費用を捻出してくれるよう話すも「俺の子じゃないかもしれない」と断られてしまう
それでもめげず、浮気相手のライターの宇崎(太田正一)に「あなたの子に間違いないから」と訴えて50万円をせしめる
単独ライブ当日を迎え、ファンへのコメントをブログに書き込もうとしたところ、妊娠の噂が広まっているのを見て、呆然とする
ストーリー自体は「オチキ」というよりも、「実力以上に自分を演出していた」ところからの落下という表現が相応しく、、高い下駄を履いていれば躓くのも当然
サクラにしても、曲を書いているのはのぶ子(澁川智代)で、ヴォーカルもルックスも突出しているわけではなく、、、
表現の世界では、そんなことはわかった上で突き進むしかないのだろうけれど、その「わかった上で」という部分が何とも肝で、正しい自己評価のできる人には向いていない世界なのかもしれない
明日は、エル・ファニング主演の映画をご紹介