無人島シネマ

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745. イエスタデイ

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引用元:eiga.com


もしこの世にビートルズが存在しなかったら

 

という漫画「僕はビートルズ」にも似た設定の映画

 

 

サフォークに住むジャック(ヒメーシュ・パテル)はシンガーソングライター

 

とはいえアルバムも出していない彼は、普段はディカウントストアでアルバイトをして生計を立てている

 

唯一の理解者は、幼馴染で中学校教師をしているエリー(リリー・ジェームズ

 

ナージャーとしてライブの手配や会場までのドライバー役など、ジャックの成功を信じてサポートし続けていた

 

ところがライブをする度に、閑散とした客席に愕然とするジャックは、音楽フェス(といってもジャックが出演したのは小さなテント会場)の帰り道「そろそろ潮時だと思う」と告げ、エリーの車を降り、アコースティック・ギターを抱えて家路に向かったその時

 

停電が発生し、真っ暗になった瞬間、ジャックはバスに撥ねられてしまう

 

 

 

病院で意識を取り戻したジャックは、重傷ではないものの、二本の前歯を失い、何ともカッコ悪くなる

 

その後は順調に回復し、バツの悪さを感じながらも、退院祝いに集まってくれた友人たちから、新しいアコースティック・ギターをプレゼントされる(以前のギターは事故で壊れてしまった)

 

 

 

その場で「何か、一曲」となり、お礼も兼ねてジャックは、ビートルズの「イエスタデイ」を弾き語ったところ

 

そんな素晴らしい曲をいつの間に作ったの?

 

と聞かれ、唖然とする

 

 

 

 

本作はイギリス、アメリカをはじめ、日本を含む各国でヒットしたけれど、ビートルズのファンには概ね不評だった模様

 

確かに、周りの友人がビートルズを知らないことに気付いたジャックが、試すように「僕が64歳になってもサポートして欲しいね」と言うシーンなど、ファンをくすぐる台詞も少なく、物足りなさを感じさせるのかもしれない

 

そうした偏狭なところも含め、如何にもビートルズ・ファンらしくて面白い

 

使われる曲は美しいバラードが中心だし、歌っているのはジャック役のヒメーシュ・パテルのみ

 

要はビートルズの印象的なコーラスも、ポールのベースラインも、ジョンのヴォーカルも(この辺までにしておきます)ここには無いけれど、それでも「ビートルズをほぼ知らない人たち」を魅了してオリジナル・アルバムが聴かれるようになると素晴らしい

 

アイ・アム・サム」や「僕の戦争を探して」など、ビートルズをネタにした映画は数あるけれど、どの作品がファンに好評なのだろうか?

 

 

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