引用元:eiga.com
もしこの世にビートルズが存在しなかったら
という漫画「僕はビートルズ」にも似た設定の映画
サフォークに住むジャック(ヒメーシュ・パテル)はシンガーソングライター
とはいえアルバムも出していない彼は、普段はディカウントストアでアルバイトをして生計を立てている
唯一の理解者は、幼馴染で中学校教師をしているエリー(リリー・ジェームズ)
マナージャーとしてライブの手配や会場までのドライバー役など、ジャックの成功を信じてサポートし続けていた
ところがライブをする度に、閑散とした客席に愕然とするジャックは、音楽フェス(といってもジャックが出演したのは小さなテント会場)の帰り道「そろそろ潮時だと思う」と告げ、エリーの車を降り、アコースティック・ギターを抱えて家路に向かったその時
停電が発生し、真っ暗になった瞬間、ジャックはバスに撥ねられてしまう
病院で意識を取り戻したジャックは、重傷ではないものの、二本の前歯を失い、何ともカッコ悪くなる
その後は順調に回復し、バツの悪さを感じながらも、退院祝いに集まってくれた友人たちから、新しいアコースティック・ギターをプレゼントされる(以前のギターは事故で壊れてしまった)
その場で「何か、一曲」となり、お礼も兼ねてジャックは、ビートルズの「イエスタデイ」を弾き語ったところ
「そんな素晴らしい曲をいつの間に作ったの?」
と聞かれ、唖然とする
本作はイギリス、アメリカをはじめ、日本を含む各国でヒットしたけれど、ビートルズのファンには概ね不評だった模様
確かに、周りの友人がビートルズを知らないことに気付いたジャックが、試すように「僕が64歳になってもサポートして欲しいね」と言うシーンなど、ファンをくすぐる台詞も少なく、物足りなさを感じさせるのかもしれない
そうした偏狭なところも含め、如何にもビートルズ・ファンらしくて面白い
使われる曲は美しいバラードが中心だし、歌っているのはジャック役のヒメーシュ・パテルのみ
要はビートルズの印象的なコーラスも、ポールのベースラインも、ジョンのヴォーカルも(この辺までにしておきます)ここには無いけれど、それでも「ビートルズをほぼ知らない人たち」を魅了してオリジナル・アルバムが聴かれるようになると素晴らしい
「アイ・アム・サム」や「僕の戦争を探して」など、ビートルズをネタにした映画は数あるけれど、どの作品がファンに好評なのだろうか?
2019年のイギリス・アメリカ映画