引用元:eiga.com
恥ずかしいことに「レニングラード」について、「(ウラジーミル)・レーニンの街」という意味で名付けられたこと以外には、どの場所にあってどのくらいの規模なのか知らなかった
レニングラード州の州都は、モスクワに次ぐ第二の都市であるサンクトペテルブルク(人口約540万人、面積1,431km2)
しかし、サンクトペテルブルクは「連邦特別市」として州から独立しており、レニングラード州の人口は約170万人、面積は85,900km2となっている
元々サンクトペテルブルクという名前だったのを、第一次大戦中に「ドイツ語っぽい名前を変更しなければ」と、「ブルク」から「グラード」に差し替え、ペトログラートとなり、ソ連になってから(ソ連圏国の父と呼ばれる)レーニンの名前をとってレニングラードとなった
そして32年前の今日、1991年12月25日、ペレストロイカの道半ばだったゴルバチョフは、エリツィンによる周到な工作によって辞任に追い込まれ、ソ連は崩壊し、住民投票によって再びサンクトペテルブルクという名称(州名はレニングラードのまま)になる
時は1980年代初頭
ソ連の都市、レニングラードでは西側の文化が禁じられていたが、若者たちの間では密かに、デヴィット・ボウイやTレックス、ローリングストーンズやレッド・ツェッペリンなどが聴かれ、それらに影響を受けた地元のバンドが強い支持を受けてもいた
中でも人気だったZOO PARKのリーダーであるマイク(ローマン・ビーリィク)の元には、バンドメンバーや、一番のサポーターでありまた恋人でもあるナターシャ(イリーナ・スタルシェンバウム)の他にも、スタッフやジャーナリスト、そしてファンらがいつも集っていた
ある日、マイクの元にヴィクトル(ユ・テオ)という青年が仲間に加えて欲しいと、アコースティックギターを抱えてやって来る
曲を披露させてみると、なかなか面白いオリジナル曲で、一瞬にしてマイクの取り巻きたちを魅了してしまう
マイクもその才能に惹かれ、ヴィクトルのデビューの為に音楽的なアドバイスしたり、スタッフ手配やレコーディングに向けて奔走する
日本でも、60-70年代にはイギリスやアメリカのロックに影響された、というか模倣からスタートしたバンドが数多く誕生しているけれど、生き残るのはオリジナリティを持った人たちで、本作でもソ連特有のメロディや節回しが聴けて楽しい
彼らの場合は、「禁じられている」からこその憧れも強いだろうし、レコーディングのシーンでは「この曲をアメリカ人に聴かせたい」という発言も飛び出す
マイクもヴィクトルも吸い続けていた煙草は、指で押しつぶしたような形
↑ の写真を見ると、上の方の煙草は丸い筒状をしているから、吸う人が指か口で押しつぶすのだろう
これでフィルターの機能を果たしているのだろうか?と思いながら映画を観ていたけれど、後で調べてみると、この「ベロモルカナル」という煙草のタールは30-35mg、ニコチンは1.5-1.8mg
マルボロ(オリジナル)でもタール12mg、ニコチン1.0mg、メヴィウス(旧マイルドセブン)は、タール10mg、ニコチン0.9mgだから、ベロモルカナルは結構キツイのだろう
これを吸いながらウォッカを飲んで一晩過ごしたら、相当なダメージがありそう
ソ連での西側諸国のロックといえば、個人的にはビリー・ジョエルの「コンツェルト - ライヴ・イン・U.S.S.R. - 」の印象が強い
1987年の夏に、モスクワとレニングラードで行われたライブを収めたアルバムで、セットリストの良さから当時よく聴いた
今これを書きながら、かなり久しぶりに聴いているけれど、アメリカ人アーティストとして初めてのロシア公演だったようで、冒頭に現地の合唱団と録音されたグルジア民謡が披露されたり、MCにロシア語通訳がついていたりと、当時の様子が窺えるのも面白い
明日は、ポーランド映画をご紹介