引用元:filmarks.com
ムスタングといえば、「馬のエンブレムが付いたフォードの車」を思い浮かべる人もあるだろうけれど、そのムスタングという馬は、昔スペイン人がアメリカに持ち込んだ小型馬が野生化したもの
スペイン語の「mestengo」(迷子になった家畜)が語源のようだ
服役中のローマン(マティアス・スーナールツ)は、怒りの感情がコントロールできない問題を抱えていた
彼の為にドラッグを捨てた妻に対して暴行、重傷を負わせた罪で12年の刑に服していた
刑務所にある職業訓練施設には牧場があり、ローマンは馬のフンを片付ける仕事を割り当てられる
ある日、暴れている馬を眺めていたのが、牧場主のマイルズ(ブルース・ダーン)の目にとまり、調教プログラムに参加することになる
それはムスタングの調教を通じて、受刑者が精神の安定を取り戻す(調教した馬は、競売で警察などに買い取られていく)というものだったが、ローマンは自分の思い通りにならないムスタングに怒りを隠せないでいた
しかし先輩調教師のヘンリー(ジェイソン・ミッチェル)の熱心な指導によって、ローマンは次第に調教できるようになり、また自身の過去の過ちについても冷静に振り返ることができるようになる
面会に来る娘に対しても、当初は心無い対応しかできなかったが、入院中の妻の面倒を看てくれている彼女に泣きながら謝罪し、間もなく行われる競売を見に来て欲しいと告げる
そして迎えた競売の日、客席に娘の姿は見当たらず、ローマンは複雑な心境で、この5週間懸命に調教してきた愛馬マーキスに跨る
アンガー・マネジメントの研修プログラムに参加したローマンが、「暴行を思いついて実行するまでにかかった時間は?」と聞かれ、その短さと12年という刑期の長さを痛感させられるシーンが印象的
作り物っぽいハッピー・エンドではないところが、リアルに胸に響く
牧場主のマイルズは、どこかで観たハズと調べてみると、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」で頑固な老人役を演じたブルース・ダーンという俳優だった
明日は、重いテーマについて考えさせられる映画をご紹介