引用元:amazon.co.jp
2014年のノルウェー・ドイツ・フランス合作
モノの重さの定義になっている「キログラム原器」をモチーフにそこに絡む人々の想いや生活を描いた作品
初めて知ったキログラム原器
「メートル法の基本単位である1キログラムの質量を現示する最高の標準機」とされ、1キロの基準となる「国際キログラム原器」はパリにある国際度量衡局に保管されているという
今や世界中に精密な計測器があるだろうに「原器」たるものを保管、維持しているとは考えもしなかった
約150年前のメートル条約成立時に原器の中から選定されたもので、白金90%イリジウム10%の直径と高さが39ミリの円柱形分銅
これと同形、同材質のものが加盟国に配られ定期的に「国際原器との差」を補正しながら用いられているという
パリまで確認に行くのは同研究所に勤めているマリエ(アーネ・ダール・トルプ)の父親アーンスト
マリエは仕事柄、様々な現場(スキージャンプ台の角度だったり、ガソリンスタンドの給油メーターだったり)に赴く
「あるべき定数に達しているか」を確認する計測のプロとして
しかしプライベートでは夫婦生活が破綻したばかりで、家を出て行った元夫は自分の不在時を狙って家財道具を持ち出しに来ていた
そんなある日、父が心臓発作で倒れ入院する
マリエは父の代理として原器を抱えてパリで開催される国際セミナーに出席することになる(何重にもカバーされた原器を空港検査に通すシーンには笑える)
タイトルの通り恋愛についても描かれているけれど、杓子定規なマリエの生き方、性格をベースにストーリーが展開する様子は(よく知らないけれど)ノルウェー的で微笑ましい
本作公開から4年後の2018年、国際度量衡総会にてキログラムの定義が国際キログラム原器からプランク定数に基づくものに変更され、翌2019年に原器は単位の定義から切り離された
プランク定数とは
「量子論における基本的定数のひとつ 振動数とエネルギーを換算可能とする 最も新しい数値は6.6260755×10-34Js」
↑ これは果たして説明なのだろうか?(と言いたくなるくらいチンプンカンプン)
いづれにしてもいくつもの国から原器を抱えてパリに出張していた人たちの任務がひとつ減ったということなのだろう
原題も「1001 grams」
何が1001グラムなのかは、映画を観てのお楽しみ
明日は、インドからオーストラリアに舞台が移る映画を紹介します