無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

681. カセットテープ・ダイアリーズ

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引用元:amazon.co.jp

 

先々週のパリ出張中、イタリアのフェラーラという、ボローニャの空港から車で約1時間の距離にある街にも行った

 

ルネサンス期には、文化の中心地のひとつだったようで、旧市街の一部は世界遺産にもなっている

 

夏には、野外フェスティバルも行われるようで、今年のライナップが話題にもなっていたけれど、数日前にはブルース・スプリングスティーンのライブが行われたらしく、街にはまだその名残があった

 

 

 

 

 

2019年のイギリス映画

 

原題はブルース・スプリングスティーンのデビュー・アルバムの一曲目のタイトル「Blinded by the Light」

 

 

ロンドンから60km北上したところにあるルートンという街

 

パキスタンから妻と移住してきたマリクは、16年間この地で真面目に工場に勤め、子供たちを育ててきた

 

長男のジャベドはマリクの言いつけを守って熱心に勉強を続けていたけれど、自由の無い生活に限界を感じていた

 

そんな中で知り合ったクラスメートから借りた、ブルース・スプリングスティーンのカセットテープに衝撃を受けたジャベドは、自分の言葉で文章を書き、誰かの言いなりではなく自分で考えて行動するようになる

 

 

 

 

87年といえば英国(及び欧州)ではテレンス・トレント・ダービーのデビュー作に、U2の「The Joshua Tree」、ジョージ・マイケルの「FAITH」、アメリカ勢ではマイケルの「BAD」、そしてボスの「Tunnel of Love」等

 

自分が洋楽を聴き始めた頃でもあり、想像するしかなかった当時のイギリスの雰囲気が味わえて嬉しい

 

 

 

ジャベドは1987年時点で高校生だから、生まれは1970年くらいだろうか

 

四半世紀近く前に生まれているフレディー・マーキューリーも「ボヘミアン・ラプソディ」では同じように10代の頃にパキと呼ばれたり酷い扱いを受けていた(彼の父親はインド生まれ)

 

実際にインド・パキスタン系の人たちは長い間イギリスで苦労してきたのだろう、イギリス映画を観ていると「もし自分が同じ環境だったら」と考えてしまうけれど(人種にかかわらず)いじめを受けずに学校を卒業できる自信がない

 

 

途中ブルース・スプリングスティーンの曲を使い過ぎてミュージカンル調になったりもしているけれど、彼の曲を知らなくても大いに楽しめる作品

 

先述の人種の問題がストーリー全体に影響しているけれど、他にも父と息子の難しい関係やパキスタン一家における父親の尊厳と妻や子供に与えられる(ない)自由など、いろんな問題を抱えたイギリスに住む一家族の様子が伝わってくる

 

 

明日は、ヴィム・ヴェンダース作品をご紹介