引用元:filmarks.com
2013年の作品
最近(彼が亡くなる)まで本作の存在を知らなかった、、しかもアル・パチーノがフィル・スペクターを演じているなんて!
映画作品として期待というよりも、彼の音楽の、そしてアル・パチーノのファンだからという理由で鑑賞
フィル・スペクターは、60-70年代に、ザ・ロネッツ、クリスタルズ、ライチャスブラザースなどのヒット曲を手掛けたプロデューサー
「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる、スタジオに大勢のミュージシャンを集め一斉に演奏させることで得られる分厚いサウンドが特徴
ヒット曲を連発しただけでなく、というよりもそれ以上に、世界中の後進ミュージシャンやプロデューサーに多大な影響を与えている
↓ 彼の手掛けたアルバムを集めたボックスセット(私物です)の、スタッフに囲まれた和やかな雰囲気の写真が哀しい
一方で、その名声とドラッグに溺れ、ジョン・レノンを銃で脅したり、出来が気に入らないマスターテープを持って雲隠れしたり、数々の奇行が目立つようになる
そして2003年、自宅で女優ラナ・クラークソンを銃で殺害した容疑で逮捕される
本作ではその弁護人を務めたリンダ(ヘレン・ミレン)が果たして本当にフィル・スペクター(アル・パチーノ)が殺害したのかという真相に迫っていく
これまでの数々の奇行から、有罪を疑わない世間やマスコミ
無罪を勝ち取るため、裁判の準備をしている時でさえ、リンダを揺さぶるような発言、行動に出るフィル
その中で、唯一無罪を信じるリンダは、銃弾の弾道やフィルの衣服に血痕がほとんど無いことなど、物証から検証していく
アル・パチーノは、髪形やメイクはもちろん、身のこなしから表情まで、流石の再現力で驚くほど違和感を感じさせなかった(声で認識されている人ではないという大きなアドバンテージ?はあるけれど)
ファンとしては大筋知っている内容ではあったけれど、映画とはいえ、こうして映像で観ると本当に悲しい
世界中から高い評価されている人ではあるけれど、彼のことを一番評価していたのは彼自身だったのだろうし、本作を観ても、彼には精神的な支えになる存在が居なかったことがわかるのが辛い
エンドロールで流れる「スパニッシュ・ハーレム」に一瞬意外な気がした
彼は若くして自身のレーベルを立ち上げ、すぐに「ベー・マイ・ベイビー」のヒットを生み出した印象が強いけれど、1960年にベン・E・キングが歌ってヒットしたこの曲はリーバー=ストーラーとしてヒット曲を量産したコンビのひとりジェリー・リーバーとフィル・スペクターの共作(マイク・ストーラーは編曲を担当)
彼がレーベルを立ち上げる前、リーバー=ストーラーの元で学んでいた頃の曲
聴きながら、(ずっとチームで働ける人ではないにしても)もう少し長い期間、ふたりから学んでいたら、その後も違っていたのか?と詮無いことを考えてしまった
明日は、アイルランドらしさの詰まった作品をご紹介