無人島シネマ

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258. ハウス・オブ・グッチ

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2021年のアメリカ映画

 

ファッションブランドを扱った映画作品にはあまり興味が無かったけれど、ここまでエンターテイメントに徹した話(といってもその大筋は実際にグッチ家で起こったこと!)で、アダム・ドライバーが主演となれば是非、と劇場まで行ってきた

 

 

 

「グッチ」の創業者一族でありながらブランドビジネスには興味の無い学生のマウリツィオ(アダム・ドライバー

 

卒業後は弁護士になろうと勉強していたところ、友人のパーティーで出逢ってから(強烈なアプローチもあって)惹かれ始めていたパトリッツィア(レディー・ガガ)に影響され、マウリツィオはグッチの経営に興味を持ち始める

 

野心家、というよりも野心の塊の様なパトリッツィアは、グッチ家の内紛を利用して伯父アルド(アル・パチーノ)と父親のロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)が握っている経営権を手中に収めかけるも、その過程で夫であり娘の父親となったマウリツィオから疎まれるようになる

 

 

 

実質ワンマンでグッチを取り仕切るアルド役は、恰幅が良過ぎて一瞬「誰?」となるけれど、声でアル・パチーノだと分かる

 

彼の息子でありながら、いつまでも一人前扱いされず、その焦りから致命的な間違いを犯してしまうパオロ(ジャレッド・レト

 

アル・パチーノと共演しているせいか、どうしてもフレド(「ゴッド・ファーザー」でジョン・カザールが演じたドン・コルレオーネの次男)の姿が重なってしまう

 

髪形や振る舞いなど、フレドを意識しているというかオマージュなのだろう

 

 

労働者階級の娘だったパトリッツィアは、グッチ家の一員になってから装いや態度が変わっていく

 

一方、温厚な学生から愛妻家の労働者、後に野心的な経営者、そして冷淡な父親にまで変化していくマウリツィオ

 

置かれた状況や身だしなみが変わろうが一貫して野心家のパトリッツィアに対して、どの時期の彼が本当の姿なのかわからないマウリツィオ

 

これがシンガーと俳優の違いなのか、或いはレディー・ガガアダム・ドライバーのキャラクターをそのまま反映しているのか

 

 

159分の大作ではあるけれど、パトリッツィアの失脚期間など余りにも駆け足な部分もあるから「PartⅡ」で観てみたい気もする

 

と思うと「ゴッド・ファーザー」の原作に如何に厚みがあり、続編の脚本やキャスティングに成功した作品だったのかと再認識させられる

 

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