無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1374. タンポポ

引用元:amazon.co.jp

 

伊丹十三監督作品は、好きでひと通り観ているけれど、80-90年代の作品が配信で観られる環境になく、最近はご無沙汰していた

 

ということで、土曜日の夜、11時半くらいから自宅でDVD鑑賞

 

 

 

トラック運転手のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙

 

ゴローが運転している間、ガンはラーメンを美味しく味わう極意を記した指南書を音読していた

 

最初は「あと2時間くらい走って仕事が終わったら、旨いラーメンを食べに行こう」と話していたが、余りに食欲をそそる指南書のせいで、ふたりはトラックを停めて、国道沿いにある一軒のラーメン屋に入る

 

ところが店の中は活気が無く、女性店主のタンポポ宮本信子)が馴染み客のピスケン(安岡力也)に絡まれていた

 

また、麺を茹でる釜は沸騰しておらず、出て来たラーメンも今ひとつ、、

 

がっかりしながら食べていたが、しつこく言い寄るピスケンにゴローがちょっかいを出したことから、喧嘩になってしまう

 

「仕事の荷物は期限までに届けなければ」と、ガンにひとりで配送するように言いつけ、ゴローは(ピスケンの子分も含めて)5対1の勝負に挑む

 

 

 

案の定(?)、コテンパンにやられたゴローが翌朝店内で目を覚ますと、そこに荷物の配送を終えたガンも戻ってきて、タンポポに朝ご飯をご馳走になる

 

ご飯に漬物と味噌汁という、シンプルながらも驚くほど美味しい朝ご飯に、つい昨夜の不味いラーメンの話になり、タンポポに懇願される形でラーメン修行を始めることになる

 

 

 

ゴローのカウボーイハットや、ライバル店との争い、音楽の入り方など、マカロニウエスタンを思わせるシーンに加え、タンポポの夢の中で、ライバル店の店員が押しかけて来て、乱暴されそうになるシーンではヒッチコック、そして男たちが無邪気に喜び合うシーンには黒澤映画へのオマージュを感じさせる、「映画愛」に溢れた作品

 

 

役どころにはぴったりではあるけれど、まだ個性に中途半端さを感じさせる渡辺謙の若さが新鮮

 

また役所広司が演じるエロティックなシーンや、岡田茉莉子のマナー講習のシーンなど、本筋には関係の無いサブストーリーが挿入されている

 

どれも印象的ではあるけれど不自然さは否めず、少し頭でっかちな気もする

 

その未完成っぽさも含めて、この映画の魅力だと思う

 

 

 

夜中に観始めたことを後悔するほど、ラーメンが食べたくなった

 

 

明日も、伊丹十三監督作品をご紹介

 

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