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1941年のフランスの田園地帯
「ユダヤ・ハンター」と呼ばれている、ナチス親衛隊のランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)は、行方不明のユダヤ人一家を追ってこの地にやってくる
酪農家のラパディットの家に訪れ、表面上は穏やかに話しつつも最後は威嚇して居場所(ラパディットと話している部屋の床下)を突き止め、部下たちにマシンガンを乱射させる
唯一生き残った少女ショシャナ(メラニー・ロラン)が、林に逃げ込むのもランダには見えていたが深追いすることなくその場を後にする
それから3年が経過、8人のユダヤ系アメリカ人からなる秘密特殊部隊を率いているレイン米陸軍中尉は、部下たちに任務を叩き込んでいた
彼らのミッションとは「市民に紛れて、出来る限り多くのドイツ兵を殺すこと」だった
彼らの「拷問の上、殺害、最後にはナイフで頭皮を剥ぐ」という残忍なやり方は、ドイツ軍の間でも、またヒトラー総統にさえも恐れられていた
同年夏のパリ
何とか生き延びたショシャナは、エマニュエルという別名で、叔父夫婦から受け継いだ映画館で働いていた
ところが運悪く、ドイツ兵(しかも多くのフランス人を殺害した)のフレデリックに見初められてしまい、ドイツ軍のプロパガンダ映画の上映を持ちかけられる
とはいえエマニュエル(ショシャナ)に選択権はなく、フレデリックがゲッベルス宣伝大臣にそのお伺いをする会食の場に連れ出される始末
しかもその会食の場には、家族を皆殺しにしたランダの姿もあり、ショシャナは必死で動揺を隠そうとする
以前も書いたけれど、「追想」からタランティーノ監督は発想を得て脚本を書いている
しかしナチス占領下のフランスという設定と復讐劇というテーマが同じだけ
普通ならそこまでのベースが一緒なら酷似した作品になるところを、わかりやすく5つの章に分け、復讐の理由付けとなるシーンなどストーリーに起伏を付けたして、最後は大掛かりなアクションという、まったく異なるエンターテインメント作品に仕上げているのは見事
全世界で3億ドル以上を稼ぎ、「パルプ・フィクション」を超えるヒットになった
暴力的なシーンの多さから日本ではヒットしなかったけれど、個人的にはその点よりも、アメリカ人がこの映画を作ったことに少し複雑な気持ちがする
もちろんタランティーノ監督もブラッド・ピットも重々承知で無神経なアメリカ人に徹しているのだろうけれど、、、逞しいというか何というか
明日は、ちょっと異色なアンソニー・ホプキンス出演作を紹介します