無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

451. 愛の嵐

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引用元:filmarks.com

 

1974年のイタリア映画

 

舞台は1950年代後半のウィーン

 

戦時中、国民の約10%がナチ党員だったオーストリア

 

ドイツの7%をも上回る高い比率で存在する党員の一部は、親衛隊としてユダヤ人の摘発や移送などにおいて重要な役割を果たしていた

 

戦後ユダヤ人迫害の責任者として処刑されたアイヒマンオーストリアで育ち、部下の多くを母国から採用した

 

 

 

 

戦時中ナチス将校だったマックス(ダーク・ボガード)は、戦後はその過去を隠し、ホテルのフロント係として働いている

 

そのホテルに、アメリカから有名なオペラ指揮者が宿泊することになり、全スタッフが対応に追われていたところ、指揮者に同行している夫人の姿を見たマックスは驚愕する

 

その女性、ルチア(シャーロット・ランプリング)こそ、彼が強制収容所で弄んだユダヤ人だった

 

フロントで働くマックスに気付いたルチアも激しく動揺し、夫に「今すぐここを離れたい」と懇願するもその真意はもちろんのこと理解されず、複雑な心境のままウィーンに留まることに

 

ところが、やっと次の公演地に向けて出発しようとしたその時「もう少しここに留まりたい」と主張し、ルチアは生まれ故郷ウィーンの街を徘徊し始める

 

 

同じ頃、マックスは元ナチ将校たちに「過去の事実を認め、清算する」ことを強要されていた

 

弁護士やバレエ・ダンサーとして、今はウィーンの街で普通に暮らしている彼らは、自分たちの過去の行いを追求されることを恐れ、自分たちで過去を揉み消し合う会合を定期的に行っていた

 

彼らにとっては、その会合に協力的ではないマックス、そして彼が抱えている最も大きなリスクであるルチアを何とかすることが最優先事項となっていた

 

 

 

 

 

ベテラン女優になってからの作品を先に観たシャーロット・ランプリングの、若い頃の美しさに、只々圧倒される

 

長いキャリアの中でも強烈なインパクトのある本作は、スキャンダラスな面のみが注目されかねないところを、ストーリーや彼女の演技のクウォリティ、そして現在にまで続く立派なキャリアによって、作品の価値が維持され(高められ)ている印象

 

原題は「The Night Porter」(邦題についてはノー・コメント、)