引用元:cinemacafe.net
ロンドンのケニントン(地図で調べてみると、映像の雰囲気よりも街中にある バッキンガム宮殿から2-3kmの距離 The Ovalという歴史あるクリケット場がある)の民生係として働いているジョン(エディ・マーサン)
44歳で独身の彼(↑ に写っている男性)は、孤独死した人の身寄りを確認したり葬儀のアレンジをする仕事を、誠意を込めて続けてきた(2008年に公開された「おくりびと」を連想させる)
ところが、隣の地区との業務統合に際してジョンが解雇されることが決まり、以前からジョンの仕事ぶりを「時間ばかりかけて効率が悪い」と考えていた若い上司から、後任の女性を紹介される
その心無い仕打ちに思うところはありながらも、了承するジョンではあったが、今取り掛かっている最後の案件が片付くまで、あと数日働かせてほしいと上司に直訴する
最後の案件とは、(顔見知りではないものの)ジョンの自宅の真向かいに住んでいた男性ビリーの葬儀だった
そしてジョンは数少ない情報を頼りに、ビリーの身内を訪ねて回る旅に出る
よく映画でジョンのような人物が描かれる時には、やや頑固で気難しかったりするけれど、ジョンの場合は(ひとりでいることを好みながら)温厚で協調性もありそうに見える
身寄りのない人の葬儀でも、可能な限りの情報から口上を考えたり、彼なりのベストを尽くしてきた
ところが、公務員の勤務時間(そして彼はたったひとりで働いていた)と職責範囲で出来ることも限られている
映画を観ながら「仕事に対する愛着はどれくらい持つべきなのだろうか?」と考えてしまった
効率も大事ではあるけれど、愛着がなければ仕事もつまらなく、続けることも難しくなるだろう
公平に全数取り扱える範囲内でマックスに対応するのがベスト、ということになりそうではあるけれど、実際の仕事はそう簡単には行かない(ジョンの場合はかなり残業してそう、、)
最後の案件を片付けたジョンが、「死者の気持ちに寄りそうなんて、間違ってる」と言い切る、嫌な感じの上司が乗っている車に向かってとったある行動が最高に可笑しい
かなり好きな作品ではあるけれど、最後の10分については意見が分かれそう
個人的には無い(そのまま終わる)方が良かったと思う
原題は「Still Life」