引用元:cetera.co.jp
ニューヨークはかつて「人種のるつぼ」と表現されていた
最近では「(人種の)サラダボウル」という表現の方が一般的らしく、外部から人たちが溶けて(melting pot)ニューヨーカーになるというよりも、レタスやクルトンやドレッシングのように各自が(個性を持ったまま)共存しているというイメージなのだろう
レストランも、スリランカ料理、エチオピア料理、スカンジナビア料理、ウズベキスタン料理等々、充実のラインナップ
昔、仕事仲間と(14st.辺りの)ネパール料理を食べに行ったことがあるけれど、餃子のようにパオ(包)のメニューがかなり充実していたり、サラサラのヨーグルトの中にお米が入ったデザートがあったりと、目にするだけで面白いし、そして美味しかった
もちろん中華やイタリアンも移民が働いている店が多く、本格的な味が楽しめるので、余程のことがない限り(同行者のリクエストとか)日本食レストランに行く気にはなれない
原題は「the kindness of strangers」
DVが激しい夫から逃れ、車でバッファローからマンハッタンまでやってきたクララ(ゾーイ・カザン)と幼いふたりの息子たち
ふたりにマンハッタンの観光もさせてやりたいと願うも、現金もカードも夫に管理されていたクララは、たちまち食べるところ寝るところにも苦労する
無実の罪で服役していたマーク(タハール・ラヒム)は、減刑に貢献してくれた弁護士ジョン(ジェイ・バルチェル)と祝杯を挙げた出所日に、飲んでいたロシア料理店のオーナーたちに気に入られ、店を任されることになる
しかし、そのロシア料理店は老舗ながら今ではその面影も薄く、スタッフはアメリカ人ばかりで料理もサービスも最低な店だった
ある日、万引きしながら食いつないでいたクララがマークの店にやって来る
盛り上がった店内で、動揺した風なクララの姿は逆に目立ち、マークは(客ではないと)気づくも優しさから見逃す
その店の常連で看護師のアリスは、仕事の合間を縫ってホームレスの施設で貧しい人たちのケアをしていた
クララと息子たちは、やがてアリスと知り合い、マークやアリスのサポートを得ながら暮らしいていくも、ついに夫に見つかってしまう
冬のマンハッタンは寒くて、目的が無ければ居られない
目的を果たすには大抵の場合お金が必要なわけで、クララの行動はどう考えても無謀なのだけれど、マンハッタンには孤独を吸収する魅力もあるのか、シングルライフを満喫(?)している人も多く、こうしたstrangerたちの親切によって支えられていく
それにしても、どの国の映画にもDVを扱った作品が多すぎて驚いてしまう
もちろん世相を反映しているのだろうけれど、犯罪として扱われ難いというネックが、本作でも描かれている
明日は、ペ・ドゥナ主演の映画をご紹介