
引用元:eiga.com
東日本大震災が起こったのは、2011年3月11日
平日のお昼過ぎ
都内にある(昭和53年竣工の)オフィスビルの13階で働いていた
地震が収まった後も、ビル特有の揺れが続き、最後の方は酔ってしまいそうな感覚になった
後に長周期地震動という名称があることを知った(揺れの一往復にかかる時間が長く、これはこれで怖い)
しばらく経ってから、館内アナウンスの指示に従って階段を降りて地上まで降りたものの、そこから(報告もせずに)退社する人、宿泊しようとホテルを探す人、全員の動きを把握しようとする人、業務に戻ろうとする人、、、驚きを通り越して呆れるくらいに全員が個性を発揮していた
翌日以降に話を聞くと、渋谷のバス停で5時間待たされた人、帰り道で自転車を購入して帰った人、都内のホテルに泊まった人、オフィスの床で寝た人など、まさにそれぞれ
その後も、段階的な復旧に向けて全面協力してくれたスタッフもいれば、すぐに東京を離れた管理職も
それぞれに事情があるし、誰も責められないけれど、その時の行動と普段の印象が余りにも齟齬が無くて、妙に納得してしまった記憶がある
公開(前)当時、映画館の予告で「面白そうだな」と思いつつも、すっかり公開後になってしまった
ストーリーの大筋は予告が雄弁に語ってくれているタイプの作品ながら、細かいエピソードや、それに伴って微妙に変化してくる家族関係の描き方が面白い
都内に住む鈴木家
ある朝、目覚めると、家の電気、ガス、水道がすべて停まっている
とりあえず父の義之(小日向文世)は会社に、息子の賢司(泉澤祐希)は大学、娘の結衣(葵わかな)は高校へと慌てて家を出る
母の光恵(深津絵里)は、三人を送り出した後に、マンションの10階から階段を降りてゴミ出しをすると、そこに集まっている主婦たちも同様に困っている様子だった
どうやらこのトラブルはマンションだけではなく、会社や学校があるエリアでも、電車や自動車含め、あらゆるインフラがストップしている様で、しかもそれは翌日、翌々日も続き、鈴木家の四人も非常事態であることを理解し始めていた
本作は、2003年にアメリカ北東部とカナダのオンタリオ州で起こった大停電を参考にしているとのこと
ほとんどの交通機関がマヒし、ニューヨークやデトロイト、トロントやオタワの都市では、通勤・通学をする多くの人がハイウェイを歩いて移動、途中路上や公園で夜を明かしたという
発生したのは8月14日で、気温が30℃以上になる中、もちろんエアコンも扇風機も使いない状況が29時間続いた
原因は諸説あり、今でも解明されていないけれど、有力視されている原因は、送電管理システムのダウンによる連鎖反応(オハイオ州で大きな木の枝が落下し、送電がストップしたことがその原因とも)
明日は、セリーヌ・シアマ監督の作品を紹介します