無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1137. ひみつの花園

引用元:amazon.co.jp

 

銀行員の咲子(西田尚美)は、幼い頃からお金が大好き

 

そんなにお金が好きなら銀行にでも勤めれば?

 

という家族の冗談をそのまま受け取って(!)、お札に囲まれて働くという幸せな毎日を過ごしていた

 

 

 

しかし所詮は他人の金

 

銀行強盗の人質にされて、その分け前にあずかれないかなあ

 

と勤務中に妄想していたら、本当に銀行強盗に拉致されてしまう(!!)

 

 

5億円を奪った犯人は、咲子を車のトランクに押し込め逃走するも、山中で横転し、車は爆発炎上してしまう

 

咲子は爆発の際にトランクから飛び出し、落下した川に流されたところを発見され、九死に一生を得る

 

犯人は死亡し、5億円も燃え散ってしまったと思われていたが、咲子の記憶では(大きな淵のように)水位が深くなったところに黄色いスーツケースが沈んでいた

 

咲子は、図書館に行き(銀行内の防犯カメラによる)報道写真を見て、黄色いスーツケースは犯人が銀行から逃走する際に車に積み込んだものと確信する

 

 

そこからの咲子は、

 

・銀行を辞め、一人暮らしを始め

・スーツケースの在り処を探すために、地質学を学ぶことを決め

・大学受験の勉強をし

・入学後、高額な測量機器を購入

・スーツケースの在り処まで辿り着くために、ロッククライミングや水泳教室に通い

・お金がなくなってスナックで働き始め

 

というハチャメチャぶり

 

 

咲子のキャラクターを表現するシーンとして、男性から「コーヒーでも飲みに行こうか」と言われると

 

奢りですか?だったらその分のお金ください

 

という台詞が、学生の時にも、大人になってからもある

 

本作公開の3年前の流行語にもなった「同情するならカネをくれ」の影響(?)も感じさせる

 

 

 

この頃、アジア通貨危機とも重なって北海道拓殖銀行長期信用銀行山一證券や三洋証券などの大手金融機関が次々破綻し、邦銀の格付けが引き下げられるだけでなく、ジャパン・プレミアム(海外で資金を調達する際に、日本の銀行は通常よりも高い利率になる)なるものも生まれた

 

真摯な「モノづくり」だけで勝負できない時代が始まり、日本がズブズブと沈み始めた時期

 

ドラマや娯楽映画にも、こうした背景から自虐的な演出が必要とされたのだろうか?

 

 

 

個人的には咲子の拝金主義(?)的なエピソードそのものよりも、その「常軌を逸してた」悪ノリ感が楽しかった

 

最初は「誰しもが持っている感覚が少し過剰なだけ」と思いながらコメディ映画として観ていた(自分もどちらかといえばコッチのタイプかも、と思いながら)けれど、途中から、程度の問題ではなく種類が違う風に感じてからは、ホラー映画にも感じる不思議な感覚だった

 

 

明日は、ダコタ・ファニング主演の作品を紹介します

 

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