無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1031. ヒトラーの贋札

引用元:amazon.co.jp

 

いつも冒頭に流れる出演者のクレジットを観ながら、作品をイメージしている

 

クレジットの背後の景色から何らかのメッセージを発しているのかな?とか

 

或いは既に人の動きがあったりもするし、音楽はクラッシック、ジャズ、ロック、或いは映像を邪魔しないインストゥルメンタルなのか

 

クレジットもなく始まったりすると「威勢が良いな」と思ったりもするし、意味深なシーンに思えると「集中して観なきゃ」と気合が入るし、クレジットの字体から「好みの映画じゃないかも」と勝手な予想をしたり、白い背景に白字のクレジットだったりすると愕然としてしまう

 

その点、本作は雰囲気のある音楽に、こだわったクレジット表示、そしてモンテカルロのホテルにチェックインする最初のシーンに繋がる様に、主人公が歩いている姿が描かれていて、安心して観始めることができた

 

 

 

第二次大戦中のドイツ

 

偽札を作っては優雅な暮らしをしていたサロモン(カール・マルコヴィクス)は、ユダヤ人であることをなるべく隠そうと、周囲にはサリーと呼ばせていた

 

しかし女と寝ているところに警察に踏み込まれ、ザクセンハウゼン強制収容所に送られる

 

過酷な労働の中、毎日何人かの仲間が処罰され亡くなっていった

 

サロモンは(看守の目に留まる様に)夜中に勇敢に戦う兵士のイラストを描き、その腕を買われて労働から逃れる

 

ところが、数日後に移送された場所は、腕利きの技師や印刷工が集められた「ベルンハルト作戦」の実行部隊だった

 

そこでは偽ポンド札だけでなく、偽パスポート、さらには偽米ドル札にまで手を伸ばそうとしていた

 

 

 

特定の技術を持つ者たちが集められ、ナチスの躍進の為だけにその技術を発揮させられるという苦悩

 

断れば命も保証されない中、印刷技師のブルガー(アウグスト・ディール)が遅延行為に出る

 

 

 

断れば命も、、の半面、貢献を続ければ清潔なベッドと十分な食事が保証される

 

しかしそれは、ナチスドイツの繁栄に貢献すること、さらには自分たちユダヤ人が虐げられ続けることを意味する

 

何が正義で、何が正解なのか、目先の状況判断と先見性、いろいろ考えさせられる作品

 

 

 

ちなみに今の日本の紙幣には、すかしやマイクロ文字、特殊インキや凹版印刷など様々な最新技術が使われ、三椏(ミツマタ)やマニラ麻などの食物繊維を特殊加工して作られた和紙が使用されている

 

といった、公表されている以外の技術でも偽札防止をしているんだろう、当たり前に

 

原題は「The Counterfeiters」(counterfeit = 偽造)

 

 

明日は、イーストウッド作品をご紹介

 

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