引用元:filmarks.com
ヒッチコック映画では定番の「巻き込まれ型サスペンス」
どこにでも居そうな普通の男が、ある日「ちょっとした些細なこと」をきっかけにどんどん深みにはまっていくというもの
本作で登場するのは、優しそうな中年男性
会社の上司にはプライベートな要求にも逆らえず、妻にはいつも言い負かされ、15歳の娘も手に負えなくなっている
と、この辺りまでは多くの男性が自身を重ね合わせることができそうではあるけれど、本作の主人公トーマスは、過去にアルコールでの失敗があり、家族には内緒でセラピーに通っている
ある日、妻のマルティナ、娘のジェニーを車に乗せ一週間のスキー旅行に向かうも、途中で上司の娘ザラをピックアップする
事前に知らされていない妻と娘からはブツブツ言われ、さらに株を下げてしまうシーンでトーマスのダメさ加減をサラリと紹介
この他にも、出かける前に(庭の水やりをお願いするのに)お隣さんにカギを渡してと妻に頼まれていたのを忘れていたり、貸し切りのペンションに着いたら電気がつかなかったりという、不手際と不運の連続
それでも何とか明日から皆でスキーを楽しもうとしていたところ、娘たち二人は(電気をつけに来た)オーナーの息子セヴェリンが今夜行くというパーティーに参加したいと言い出す
妻は即座に却下したものの、トーマスが甘い顔をのぞかせてしまい、結局彼が送り迎えすることでパーティーに行かせることになってしまう
家庭を持つ男の災難、という意味では「フレンチアルプスで起きたこと」を思い出させる(主人公の男性にはご愁傷様という言葉しか見つからない)けれど、本作の方が登場人物も多く、より話が複雑
巻き込まれ型ではあるけれど、実際には殆どの不幸の原因がトーマスにある
そしてその遠因は、トーマスに頼りっ放しなのに不平不満ばかりの女性陣にも
最初はこうした「夫婦あるある」、「家族あるある」的なイザコザからスタートするも、ことごとくトーマスが判断を誤り、そしてそれがことごとく裏目に出てしまう
最後にエンドロールの文字が浮かび上がってきた瞬間
「えー、これで終わりなの???」
と呆れてしまった
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明日は、戦争時にはあらゆる卑怯な手段が考えられるのだな、という映画をご紹介