無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

811. 鳴りやまぬ鼓動

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引用元:videomarket.jp

 

<追記しました>

ペルー映画祭2023が、先週末から開催されています!

新宿K's cinemaの他にも、横浜シネマリン、京都シネマ、そして前橋シネマハウス(予定)でも

 

上映作品のリストには、観たい作品が多すぎて困るくらい

<追記終了>

 

 

 

 

 

 

2015年のペルー映画

 

 

行ったことがない国の映画を観る動機は、何といってもその国の様子を知ること

 

ところが殆ど密室で展開するものや、どの国でも変わらず存在するような郊外の自然に囲まれた場所が舞台のもの、或いは撮影セットで収録されたものだったりすると(作品の内容には満足しても)残念ではある

 

本作は、ペルーの人がどんな服装で、どんな食事をし、どんな車に乗っていて、どんな建物に暮らしているのか、そしてどんな会話で喧嘩して、どんなお酒の買い方をするのか、いろいろと教えてくれる

 

もちろんペルーの人たちが皆、この映画に登場する10人のようにハードな人生を送っているわけではないだろうけれど

 

 

 

大学で最高得点を取っていたのに、恋におちてしまった男、ラミーロ

 

中退してまでして結婚、選択できる職業ははタクシー運転手しかなく、慎ましい生活をしていたしたというのに妻に浮気されてしまう

 

ラミーロが自宅のマンションに戻るシーンから本作は始まる

 

マンションの建物二棟が繋がっている辺りに黄色いタクシーを停め、男の子がひとりでサッカーボールを蹴って遊んでいる傍にある階段を上がり、エレベーターで自宅のある階に

 

そして部屋に入ると、妻が知らない男と寝ていた

 

激怒したラミーロは、慌てて出て行った男の靴と、ふたりが寝ていたベッドのシーツとマットレスを窓から投げ捨ててしまう

 

妻の言い訳を一切無視して、再び仕事に出るラミーロ

 

今日の勤務が終わったら絶対にぶん殴ってやるぞ、と意気込んでいるところでひとりの若い女性が手を上げているのを見て乗車させる

 

サングラスをかけ、綺麗なストレートの髪に、タイトスカートにパンプスといういで立ちの若い女性は、発車後しばらくして眠り始める

 

気持ちが昂っていたラミーロは、その女性に惹かれ、沿道から少しそれた小道に車を停めると後部座席に移動する

 

 

 

この他に、15歳の娘を誘拐されそうになった庭師が、犯人の男(親族)を監禁し、拷問を加えたり、幼い娘と生まれて間もない息子の育児にすっかり疲れてしまったスザンナと夫のタラベラ

 

娘を学校に送り、タラベラが仕事に出掛けると、不意に泣き出してしまうスザンナ

 

タラベラは電話しながらの運転中、動物(映らないけれどおそらく犬)を轢いてしまい、教会に懺悔しに行く

 

エンディングでは、タラベラがマンションの前に車を停め、ひとりの男の子がサッカーボールを蹴って遊んでいる階段を抜けてエレベーターに乗る

 

その後に、ラミーロが黄色いタクシーをタラペラの黒い車の隣りに停め、同じ階段を上がっていくところで話は終わる

 

 

 

原題「ENCADENADOS」は、英語でCHAINEDという意味らしく、エンディングに向けて登場人物たちが結び付いていく

 

難解でも理屈っぽいわけでもなく、また軌道を逸しているわけでもないけれど、ストーリー展開がことごとく予定調和に沿わないせいか、集中力が要求される作品

 

 

明日は、西村晃が意外な役どころを務めている作品をご紹介

 

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