無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

810. 過去を負う者

 

まだ行ったことが無かった、ポレポレ東中野にて鑑賞

 

青山一丁目から大江戸線で行けるとあって、思いの外アクセスは悪くなかった

 

東中野駅からは歩いてスグ、もっと早く来ればよかったと後悔

 

 

赤い色の座席が印象的(下北沢トリウッドの黄色い座席を連想してしまう)

 

 

日本の刑務所を出た人が、5年以内に再犯し、再び入所する率は約50%

 

元受刑者の多くは、「二度と戻らない」と心に誓って出所しただろうに、「就労が難しい」というハードルが彼らの前に立ちはだかる

 

そんな彼らが、理解のある経営者に雇用されるように支援している、実在の就職情報誌の活動をもとに作られた映画

 

 

 

受刑者向けの就職情報誌「CHANGE」の編集チームは、出所者の就職斡旋も行い、彼らの更生を支援していた

 

高校生を轢き逃げして10年間服役した藤村、幼い子供へのわいせつ行為で服役した三隅、また放火や覚せい剤使用などの罪を犯した彼らは、チームの支援のお陰で中華料理店や清掃会社などの職に就いていたが、職場のストレスや、コミュニケーションの難しさなどもあって、トラブルを起こしたり、突然休んだりという問題が頻発していた

 

そこでチームは、アメリカで再犯防止に大きな効果を生んだと言われる「ドラマ・セラピー」をやってみることにする

 

それは、元受刑者たちが、自身の境遇に近い役を演じることによって、それまで抱え込んでいた想いを排出し、精神的なバランスを得ることが出来るというもの

 

近隣住民だけでなく、彼らの親族や支援者、また被害者や遺族も招いて行われたその試みは、練習の成果もあり、無事に演技を終える

 

 

 

あらすじで理解できた気になれるタイプの映画だろうと思った

 

それでも、「それだけじゃない気がして」鑑賞すると、想像以上の理屈と、理屈じゃ済まない事情が、リアリティとして迫ってきた

 

演劇が終わってからの、質疑応答が揉めに揉めるシーンに、本作が伝えたいメッセージが凝縮されていた

 

圧倒されて、気が付くと少しづつ首を後ろに傾けながら観ていた

 

(劇場でなくても)是非観ていただきたいと思う映画だった

 

 

明日は、ペルー映画をご紹介

 

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