
引用元:amazon.co.jp
1980年のアメリカ映画
観た回数で言えば、最も多い作品かもしれない
といっても、感覚的には映画というよりも、ミュージックビデオとして観ている感覚
ジョン・ベルーシ、ジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、ジョン・リー・フッカー、、、
多くの出演者が故人となってしまった今、改めて観直してみると、各アーティストが本当に(若々しく)躍動している
これだけの面子が、大物ぶったりしないで、ストーリーに沿って元気いっぱいに演じている様子には、単純に微笑ましい
強盗で捕まったジェイク(ジョン・ベルーシ)の出所を、弟のエルウッド(ダン・エルクロイド)が迎えに行くところから物語は始まる
素行の悪いふたりではありながらも、出所して真っ先に向かったのは、幼い彼らを育ててくれた孤児院
そこで、孤児院が5,000ドルの固定資産税が払えず、立ち退きを命じられていることを知り、院長に叱られないように、真っ当な手段で孤児院の危機を救おうとする
神の啓示(?)もあり、バンド活動によって5,000ドルを稼ごうと、昔の仲間をひとりひとり訪ね誘っていく
ギターのマット・マーフィがやっているソウル・フード店に行き、彼とそこで働いているサックス奏者のルー・マリーニを連れ出そうとすると、そこに立ちはだかるのがマットの妻(アレサ・フランクリン)
天井が突き抜けるような声で「THINK」を歌い上げるシーンは、数ある名演奏シーンの中でも極めつけ(歌い終わると、思いの外快く送り出してくれるところも潔い)
初めて本作を観たのは、ソウルやブルースを聴き始めた学生時代だったけれど、アレサ・フランクリンとレイ・チャールズは、歌が上手すぎて(?)その魅力に深くハマる時期が遅れてしまったほど
説明が難しいけれど、ソウルを聴き始めの耳には「王道過ぎて」(教科書に載っている歌のような)、自分のお気に入り感が薄いのか、そこから何年か聴き続けて、やっとふたりの凄さが腹落ちする感じ
そう考えると、映画界というよりも、ソウルやブルース界における影響にも計り知れないものがあったのだろう
公開された1980年は、ブラコン(ブラック・コンテンポラリー)が盛り上がり始めた頃で、それまでのソウルやR&Bが(良く言えば)一気に洗練されていった時期
その後、90年代にR&Bと呼ばれた音楽は、名前は同じでも70年代までのR&Bに比べると、ボーカリストの陶酔感の強い音楽で、好みからは逸れてしまったと残念に思っていたので、本作はその流れに抗うかのように投じられた「意義ある一石」の様な存在
名曲揃いのサウンドトラックの中でも、ひと際多くのアーティストにカバーされたブルースのスタンダード「スイート・ホーム・シカゴ」(オリジナルはロバート・ジョンソン)
大統領が歌えるくらい、皆が知ってるブルースの曲があるなんて羨ましい限り
明日は、マット・デイモン、デ・ニーロ、アンジェリーナ・ジョリー主演の作品を!