引用元:Yahoo!映画
2014年のスウェーデン・デンマーク・フランス・ノルウェー合作のコメディ
原題は「Tourist」
これは(ストーリーの記憶が風化するのを防いでくれる)よくデキた邦題
コメディ映画と呼ぶべきか?迷うくらいに終始重苦しい空気で、特に男性にとっては「まったく笑えないし、、」と苦々しく感じる作品だろう
普段仕事で忙しいトマス(ヨハネス・バー・クンケ)は、5日間の休暇を取って、妻のエバ(リーサ・ローヴェン・コングスリ)とふたりの子供たちと一緒に、フレンチアルプスにある高級リゾートにスキー旅行にやってくる
その二日目、午前中にたっぷり滑り、四人は爽快な気分でレストランのテラスでランチしていたところに大きな爆発音が鳴り響く
その直後に発生した雪崩にトマスや他の客たちは、面白がってスマホを取り出しカメラを向ける
それは計画された人為的な雪崩だったが想定外の規模になり、テラスの手前で止まったものの(雪崩が起こることを)知らされていない客たちにとっては一瞬身の危険を感じるものだった
すぐに騒ぎも収まり、みんな笑いながら食事を再開するも、トマスの家族は無言で気まずい時間をすごすことになる
雪崩がテラスに向かってきた瞬間、子供たちを抱えようとしたエバに対して、トマスはスマホと手袋を持ってその場を逃げ出してしまったのだった
まったくどうしてこんな映画を作るのか?(そしてどうしてそれを観るのか?)
誰しもが思い当たる「必要以上に振り返っても仕方のないこと」
それを水に流すどころか、蒸し返し続ける地獄絵図
いいオトナがいつまでも燻っている様子に「元々はトマスだけど、エバも大人げなかった」という風な交通整理で済むものでもなく、時が解決してくれるのを待てるほど優雅な気分じゃない
大袈裟に言うと「結婚するということはこういうシコリをいくつも抱えながら過ごしていくこと」なんだろうけれど、こんなシコリは嫌だなあと感じながら鑑賞
タチの悪い、そしてよく出来たコメディ映画
監督は「ザ・スクエア」を撮ったリューベン・オストルンド
両作品とも共通して人間の隠しようのない見栄えの悪いところを上手にグリグリ抉ってくる