引用元:映画.com
6.9 Roadshowと上のポスターに表示されているけれど、これは昨年上映された作品
主演が光石研、そして舞台が北九州ということで、劇場で観ようと思いながらも逃げきられてしまった(?)
あと一年で定年退職、というところまで何とか勤め上げてきたけれど、妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、年頃の娘・由真(工藤遥)からも距離を置かれている
そんなある日、よく立ち寄る元教え子の南(吉本実憂)がアルバイトをしている定食屋で、お勘定を忘れたまま店を出てしまう
慌てて心配しながら追いかけてきた南に呼び止められた周平は
「ごめん、俺病気なんよ 忘れるんよ」
と言い、財布から千円札を取り出したものの、その瞬間に南に渡すのを忘れ、再びコートのポケットにお札をしまい、立ち去ってしまう
一生懸命、家族のために働いてきたつもりが感謝もされず、目指していた校長になることも叶わず、しかも健康さえも危うくなり、いったい何のための人生だったのかと呆然とする
と書くと、誰もが共感できる勤勉な中年男性を想像してしまうけれど、周平の場合は、勤勉ではあるけれど、(極度に)気が利かず、またそのことに対して開き直っているような利己的なところもあって、共感し難いというか軽い反感さえ持ってしまう
人との距離感がつかめず、気持ち悪いくらいに喋りかけてくるかと思えば、幼馴染にさえ心を開くことが出来なかったり
そんな周平の身勝手さに不快感を抱えながらも、年を取れば(程度の差こそあれ)男性がみな陥る問題であることを示す光石研の演技に、いつの間に入り込んでしまう
圧巻は、幼馴染の石田との口論のシーン
互いに福岡出身ということもあって、リアリティ溢れる場面にしばらく呼吸を忘れてしまった
北九州といえば、先日念願だった小倉昭和館に行ってきた
本作主演の光石研もかかわりの深い劇場ではあるけれど、(長くなりそうなので)その話はまた今度
明日も、光石研出演作をご紹介