引用元:filmarks.com
ニューヨークはロングアイランドのサウザンプトンにあるサマーハウス
窓からは砂浜と海が見える、広々としたダイニング
リビングはフローリングに淡いベージュの壁、上質なラグにアンティークの椅子、一枚板の大テーブル
これらすべてはインテリア・デザイナーとして成功した妻イヴ(ジェラルディン・ペイジ)によって完璧に管理されていた
結婚して30年、企業弁護士としての輝かしいキャリアを終えつつあるアーサー(E・G・マーシャル)と、既に独立した三人の娘たちと久しぶりにサマーハウスに集まる
長女ナレータ(ダイアン・キートン)は詩人として成功、母親からの尊敬されるも、売れない作家の夫とはギスギスしがち
次女のジョーイ(メアリー・ベス・ハート)も作家を目指してはいるけれど評価されず、映画作家の夫とこの先どうするか悩んでいる
三女フリン(クリスティン・グリフィス)は、女優として活躍している
食事中、アーサーが突然宣言する
「(何事も自分が決めてその通り管理する)イヴとの生活に疲れた、残りの人生思う様に生きたいから、試験的な別居のためにこの家を出て行く」と
確かに、母の過度な美意識を強要され、辟易していた子供たちだったが、精神的にも不安定な母を残して別居を宣言する父にも呆れてしまう
結果、イヴの症状は悪化してしまい、ガス自殺を図ってしまう
アーサーがギリシャに行ってしまったこともあり、その間は主にジョーイがイヴの世話をしていた
そして、レナータの家に皆が集まった時、帰国したアーサーは旅先で知り合ったというパールという女性(モーリン・ステイプルトン)を連れて来る
イヴも病気に苦しんでいると思えば、悪い人は存在しない
しかし、皆がイヴの押し付けに病んでしまい
「俺の身にもなってくれ」
「私のことも考えてよ」
の連続、、、結局誰一人としてオトナな振る舞いが出来ない
そして、裕福な芸術家の多い家庭の中での確執、妬み、蔑みがそこに加わって、修復不可能なカオスになる
それなり以上の生活をしていながら、誰も自分の生活(仕事)に満足していない
満足していないから、人と比較して評価されていないとか、クリエイティブではないとか、呆れてしまうレベルで苦悩する
ウディ・アレンは個性的、魅力的な監督ではあるけれど、自分にどれほどインテリジェンスがあるのか、センスが優れているのかを示すことに優先順位の高さが見え隠れして(そういう作風で創作しているだけなのかもしれないけれど)観ていて疲れてしまう
というようなコメントも以前もしたような気がするけれど、つい観てしまう不思議な監督
明日は、BB対CC、という作品をご紹介