引用元:filmarks.com
1992年5月に公開された映画
その2か月前に、「暴力団対策法」が施行されるという、商業的には幸運なタイミングでありながら、本作への高い注目に刺激されたのか、伊丹十三監督が自宅前で襲撃され、全治三か月の重傷を負うという事件が起きてしまう
まるで昭和な(1992年は平成4年)ニュースではあるけれど、まだ映画が社会的な影響力を持っていたことがわかる
今、観ると「そんなに過激な内容かな?」と、普通に疑問に感じる
国際サミットの会場に立候補していた、ホテルヨーロッパ
しかし、暴力団対応の甘さから、全国の暴力団が押し寄せるようになり、政府からサミットの招致を断られてしまう
このままではホテルの威信にかかわると、総支配人の小林(宝田明)は、暴力団対応係として、(暴力団に余計な経費を使い過ぎていると不満を述べた)経理の鈴木(大地康雄)と、相撲経験のあるベルボーイ若杉(村田雄浩)を選任する
ところが、経験も知識もない彼らの対応は、ますます暴力団を助長させることになり、ついには外部から専門家、民事介入暴力(ミンボー)担当弁護士の井上まひる(宮本信子)がやって来る
まひるは、専門知識と経験、そして地元警察の協力も得て、鈴木と若杉に「恐れる必要はない」ことを教え、トラブルを解決していく
そんなある日、支配人の小林が、暴力団の関係者と賭けゴルフをしていたことが発覚し、組員がホテルに乗り込んでくる
本作の他にも、「お葬式」(1984年)、「タンポポ」(1985年)、「マルサの女」(1987年)、「スーパーの女」(1996年)、マルタイの女(1997年)など、時代を反映する作品を作り続けてきた伊丹十三監督
もし彼が21世紀の日本に存在していたら、いったいどんな作品を作ったのだろうか?
それを観ることができないのは、本当に残念
ちなみに北アイルランドのベルファストに(本物の?)ホテル・ヨーロッパがある
何度もIRAのテロの現場にされてしまった可哀そうなホテル
ベルファストに行った際に(宿泊はできなかったけれど)訪れてみると、事故の時の写真を壁に飾ってあり、何とも逞しいなと感じた(ちなみにその時の写真を載せた記事はコチラ)
明日も、伊丹十三監督、もとい関連作品をご紹介