無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1354. プール

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引用元:Yahoo.co.jp

 

大学生のさよ(伽奈)は、卒業前の旅行も兼ねてひとりでタイにやってきた

 

それは4年前に自分とお祖母ちゃんを置いて突然チェンマイに行った母の京子(小林聡美)に会うためだった

 

ゲストハウスで働いているという母が空港まで迎えに来てくれるものと思っていたら、市尾と名乗る頼りなさそうな男性(加瀬亮)が「さよさんですか?」と声を掛けてきた

 

 

 

母が働くゲストハウスは共用のテラスが美しく、風景にマッチし過ぎていて実用感の薄いプールがあり、忙殺されることもなく優雅な時間が流れていく

 

穏やかな雰囲気の女性オーナー菊子(もたいまさこ)と市尾、そして母でゲストハウスは運営され、現地の小学生ビーもお手伝いしていた

 

 

皆に優しく迎えられて楽しい数日を過ごすも、母親に対して抱いてきた感情を精算するためにやってきたのか、さよの態度が終始トゲトゲしく母親だけでなく時に周囲にも大人げない対応をしてしまう

 

そして4日目の夕食中に市尾とビーが中座しふたりきりになったタイミングで「どうして私を置いて居なくなったの?」とさよが切り出す

 

 

 

 

いろんな意味で「説明が足りない」作品

 

そして積極的に説明しないことで成立している人間関係

 

当たり前の安心感のために説明を欲するさよのイライラがよく伝わってくる

 

「親としてどうなの?」

 

と普通に思うところもあるけれど、程度の差こそあれこのゲストハウスでのような関係も悪くはない気もする

 

しかし両者が理解し合うには「人生に何を(どこまで)求めているのか」みたいな話し合いが必要なのかもしれないし、後者はその必要性を感じないだろうし、もしかすると「理解し合う」のと「友好的に諦める」の中間くらいに収まるしかないのかもしれない

 

 

 

明日は、久しぶりに観直してもやっぱり良かったアメリカ映画をご紹介