かつては(今よりもっと)知識も情報も少ない反面、好奇心だけはあったせいか、それとも単純に無防備だったのか、海外の多少危険なエリアと聞いても平気で行動していた
「行動や服装に気をつけていれば大したことにはならないだろう」という程度の想像力しかなかった、、
それから年齢というよりも経験を重ねたことで、好奇心がその方向に向かうこともなくなり、危険なエリアには出来るだけ近づきたくないと思う様になったし、時間帯や移動手段など(他にも荷物とかアルコールとか通る道とか)「安全」を意識するように、というか「最悪のケース」を想像するようになった
タイトルから想像していた通り、母親の目から息子、そしてメキシコの厳しい現実をとらえた作品
メキシコの貧しい村に暮らす父と母、そして息子の三人家族
ある日息子は「アリゾナに行く」と言い、友人のロドリゴと一緒に歩いてアメリカ国境を目指す
心配ながら止められないと淋しそうに出発を見守る母、そして息子が家を出て行くことに怒り挨拶もさせない父
しかし何日経っても連絡が無く、ロドリゴの母と一緒に当局に出向き問い合わせたところロドリゴの遺体が確認される
自分の息子は持っていたバッグは確認されたものの、身柄は不明
当局は、焼死体も多くその場合には検体が難しいと言うも、生存を信じる(そうでなくても何が起こったのか知りたい)母親は真相を確かめるために村を出る
何がどう危険なのか、ほとんど説明してくれないことが効果的な作品
言葉で理解した気になるよりも、フィクションとはいえこうした映像があるとヒシヒシと伝わって来る
ネタバレするから多くは語れないけれど、「死ぬよりも辛いこと」についても考えていると、先述の「最悪のケース」が如何に甘い想定だったか思い知らされる(このレベルの治安の悪さは経験したことが無いというだけの話ではあるけれど)
観終わってしばらくは、胸にズドーンと衝撃を受けたような気分が続く