無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1146. 田園に死す

引用元:video.unext.jp

1974年のATG(日本アート・シアター・ギルド)作品

 

何と言っても原作・脚本・監督の寺山修司色が前面(全面)に出ている

 

脚色された彼の自伝と言える内容で、有無を言わさぬ力で圧倒されてしまった

 

 

 

主人公は青森の恐山の麓に母と二人で暮らしている中学生の私(高野浩幸

 

口うるさい母親に叱られると、すぐに恐山に行ってイタコに死んだ父親の口寄せを頼んで、母親の愚痴を言っていた

 

また隣の家に他所から嫁いできた女性(八千草薫)がお気に入りで、近くから覗くのが数少ない楽しみだった

 

そんな私は、ある日母親とまた口論になり、その時に村にやってきたサーカスの団員たちから村の外の話を聞かされ、家出を決心する

 

嫁いだ隣家に馴染めない女と一緒に村を離れようと、駅で待ち合わせる約束をする

 

 

ここまでの話は、現在の映画監督である私(菅官太郎)の手による自伝映画

 

その試写会では、多くの人から作品を称賛される

 

 

 

 

その後、中学生の私の前に現在の私が現れる展開に

 

恐山やイタコ、母親への鬱積した感情、故郷からの脱出など、アイデンティティに繋がる要素に加え、短歌や合唱、成人女性への憧れ、東京での暮らしなど、自身が現在に至るまでに大いに影響された要素まで詰め込んだ、渾身の作品

 

自己のさらけ出し方や、手作り感に溢れたセットや演出など、個人的な好みとは真逆と言っても良いくらいなのだけれど、そうした相違を軽く超えて訴えてくるものがある

 

 

明日は、大好きなカウリスマキ監督作品をご紹介

 

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