無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1090. ある女優の不在

引用元:3faces.jp

 

映画製作の夢破れ自殺した若い女性の実話を元に、パナヒ監督自ら自身が主演する脚本(共同)を書いた作品

 

 

 

映画監督であるジャファル・パナヒは、マルズィエという名の少女から動画を受け取る

 

そこには、「女優になる夢を家族と婚約者の家族の裏切りによって砕かれたために自殺する」と告げた後に首を吊った(と思われる)映像が収められていた

 

また「国民的女優で、家族の皆もよく知っているベーナズ・ジャファリなら家族も言うことを聞くだろうから、この動画を彼女に見せて欲しい」とも告げられていた

 

 

事実確認の為に、急いで現地に向かおうとしていたパナヒ監督の車に、この映像を見てショックを受けたジャファリも強引に同乗、北西部にあるサラン村へと向かう

 

ところが、村に到着すると(数日前にショッキングな出来事があった風な)様子は無いものの、村人たちはマルズィエのことを快く思っていないようだった

 

その後、彼女の妹に会うことが叶い、マルズィエの自宅に行ってみると、聞いていた通り家族の大反対にあったようで、特に保守的な考えの弟は怒りを抑えられず大声で喚いていた

 

母親が何とか弟を隔離して、話を聞いたところ「マルズィエは、この3日間行方不明」だと言う

 

 

 

自殺をほのめかして(無関係な人に)無理なお願いをするという、かなり乱暴なアプローチを選んだマルズィエに対して、怒りが抑えられないジャファリ

 

現実の彼女も有名なイラン人の女優で気性が激しいらしく、罪のないパナヒ監督に噛みついて、耐えきれずに怒った監督が車から降りるというシーンなど、フィクションとはいえ素に近いのでは?と想像させる

 

結局、マルズィエへの怒りは最終的に(古すぎる考えの)家族、或いはそれを常識としている社会に帰結してしまう(イラン映画を観ていてよく感じる)もどかしさがある

 

 

 

明日は、ソウルではない韓国が楽しめる作品をご紹介

 

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