無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1081. 蒲田前奏曲

引用元:amazon.co.jp

中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文という四人の監督によるオムニバス映画

 

 

売れない女優・蒲田マチ子(松林うらら)という存在を軸に、彼女を取り巻く環境や苦悩を描いている

 

最初に中川龍太郎による ①「蒲田哀歌」

 

ほぼ居候状態の弟・タイ蔵(須藤連)と蒲田で同居している蒲田マチ子は、女優を目指してオーディションを受ける日々

 

しかし最近はそんな生活にも疑問を感じ、いまひとつ熱が入らない

 

そんなある日、タイ蔵から「彼女が出来たから家を出たい」と言われ、マチ子は驚きとともに淋しい思いもするという、マチ子の身内についての話

 

 

続いて穐山茉由監督による ②「呑川ラプソディ」では、マチ子は大学時代の同級生の帆奈(伊東沙莉)、麻里(福田麻由子)、琴子(川添野愛)、静(和田光沙)と五人で久しぶりに女子会をする

 

近況を聞かれた麻里が「半年前に付き合い始めた彼と結婚をする」というサプライズ報告をしたことで、祝福がてら皆で蒲田温泉に行くことに、というマチ子の交友関係について描かれ

 

 

三つ目の ③「行き止まりの人々」(安川有果監督)で、マチ子は mee tooをテーマにした映画のオーディションに参加する

 

「過去のセクハラ体験を語ってください」など、与えられる課題そのものがセクハラなのでは、と思わせるオーディションに、複雑な気持ちで集中できないマチ子

 

休憩時間に、近くの公園で少しだけ会話した参加者の黒川(瀧内公美)は、「今日のオーディションを仕切っている監督に、むかしセクハラされたことがある」と告白する

 

 

そして最後の ④「シーカランスどこへ行く」(渡辺紘文監督)では、マチ子の故郷・大田原が舞台になり、従姉妹・りこ(久次璃子)が子役として映画の撮影に参加する

 

監督の渡辺紘文自ら映画監督役になり、撮影を指揮しながら業界の問題点を語り始める

 

 

 

①は濱口監督の「偶然と想像」の最初のエピソード(古川琴音の印象が強いせいか?)を思わせ、②は同監督の「ハッピー・アワー」の女性陣の年齢を少し下げた様な世界観で繋がるも、人間ドラマから一転、③では急激に緊張感を増し、④ではさらに実験性が高まる

 

④だけが浮いているという批判もありそうだけど、面白い試みではあったし、四話のバランスとしても個性的で良いと思った

 

③から④の流れをスムーズにするために色合いやカメラワークをもう少しすり合わせても良かったという気がする

 

 

ちなみに「蒲田行進曲」とは何の関係もない

 

 

明日は、山崎努の初々しい姿が観られる作品を紹介します

 

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