無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

717. ゆらり

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引用元:amazon.co.jp

 

2017年の作品

 

 

現在、過去、未来

 

三つのストーリーで繋ぐ家族をテーマにした作品

 

 

石川にある小さな旅館

 

最愛の妻、そして幼い娘と「ある理由で」別れざるを得なかった男性

 

ある日、職場で同僚が眺めていた旅館のパンフレットに、娘の写真が載っていることを知る

 

同僚に背中を押され、娘が働いている姿を一目見ようと、一緒に石川に向かう

 

旅館では忙しく働く母親にかまってもらえない娘が、父親に「お母さんが泣くかどうか知りたいから」と自分を誘拐してくれと頼む

 

その娘は、かつての母がそうだったように、女優になりたいという夢を抱いて上京するも、フリーター生活から抜け出せず、石川に暮らす母に「次のドラマは関東でしか放送されないから」と嘘をつき続ける

 

そして夢の実現が叶わないことを、無理矢理母親のせいにして、石川に戻って来る

 

 

 

 

誰しもが思い通りの人生を歩めるわけではないし、失敗の責任を誰かに押し付けたくもなるかもしれない

 

家族(特に親)はそうした「押し付け合い」の標的になる場合が多いのだろうし、大抵の親はそのことを織り込み済みというか、当たり前に受け入れるものとしている

 

問題は、子供がいつの時点でその事実を認めて、変わろうとするのか

 

自分以外に失敗の理由を押し付ける人生を続けることは空し過ぎる

 

「謝る必要はない」と書いたけれど、「悪かったと思ってる」という意思表示はどんな不器用な方法でもやっておいた方が良いのだなと痛感させる、娘がカレーを食べるシーンには胸に迫るものがある

 

 

明日は、公開中の、4人の日本人監督によるオムニバス映画をご紹介