引用元:amazon.co.jp
2008年の韓国映画
ヤン・イクチュンの初の長編監督作品
韓国で俳優として活躍、本作でも主役兼監督を務めている(日本の映画「夢売るふたり」にも探偵役で出演)
幼くして母を亡くし、ロクでもない父親の元に育ったサンフン(ヤン・イクチュン)は、年上の友人マンシクと取り立て屋を生業としていた
子分を引き連れて返済の無い債務者の自宅に押しかけ、回収するためには暴力も辞さない悪質な取り立て
リーダーとして、働きの悪い部下に対しても、殴る蹴るを繰り返していた
そんなサンフンはある日、通りすがりの女子高生ヨニに、唾を吐きかけたことで口論になる
他の皆は、自分を恐れて話しかけてこないというのに、気が強く怯まないヨニに、何故かサンフンは次第に心を開いていく
債務者に、子供に、親に、子分に、哀しくなるほど暴力が繰り返される
目の前の貧困、そして派生する借金や苛立ちなどから、ごく自然に(また簡単に)暴力に繋がってしまう
負った傷と屈辱が、また次の暴力を生み、下の世代にも継がれていく
前々回レビューした「つむぐもの」で、韓国からワーキングホリデーで日本にやってきたフリーターを演じたキム・コッピの、個性的な演技が本作でも堪能できる
この年頃で、8年という時の長さは、驚くほど見違えることもあるだろう
しかし、彼女の場合、本作で既に貫禄があるというか、8年前からしっかり女優の佇まい
明日は、エンディングにボブ・ディランが流れる邦画をご紹介