無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

655. からっぽ

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引用元:natalie.mu

 

2018年の野村奈央監督作品

 

 

渡良瀬まち(打越梨子)23歳

 

 

スナック、コンビニ、レンタルビデオ屋、メイド喫茶、路上でのサンプル配布、オフィスの清掃

 

この他にも数々のバイトをこなす「スーパーフリーター」

 

ある日スナックで、大人しい青年由人(カワチカツアキ)から、「絵のモデルになって」と言われたのをきっかけに、一緒に暮らし始める

 

まちは、同じスナックに客として来た芸術ライターの糸川(須田暁)とも深い仲になり、、

 

 

 

まちはどの職場でもすぐに馴染んで、同僚の男性に気に入られるタイプ

 

やや屈折している男性たちも、まちに対しては気軽に話しかける

 

そして自分の考えを、まちに語って聞かせたりもする

 

行く先々で、そんな男たちに影響されるまちは、聞いた話を違う場所で、自分の意見として語っていた

 

 

 

まちは、自身の考えのない「からっぽ」な人として描かれているけれど、なかなかここまで吸収能力のある人はいないし、誰しも最初はコピーに始まり吸収に疲れて我流で済ませている(とも言える)ことを考えると、大して酷いとも思えない

 

まだ知識や情報の吸収段階で、他の人よりも適応能力があって、ちょっとサービス精神と好奇心が旺盛で、屈折した男を惹きつける魅力があるだけの話ではないのか?

 

 

自分の意見が無い人も困るけれど、意見に固執する人も考えもので、バランスの難しい話

 

果たして、自分のバランスはどうなのか?

 

冷静に判断するのは難しいけれど、できるだけ沢山(偏りなく)吸収したものを、しっかり消化した上で、自分の言葉で発信するスタイルが理想だろう

 

 

23歳というのは、このスタイルの模索を始めるには若干遅い気もするけれど、まちのこれからが楽しみ

 

 

 

明日は、取り立て屋が主人公の、韓国映画を紹介します