無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

484. ヤング・アダルト・ニューヨーク

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引用元:amazon.co.jp

 

今年の若者言葉ランキング(何種類か存在するみたい)は以下の通り


  第1位 tosツイ
  第2位 ひよってるやついる?
  第3位 限界オタク
  第4位 ちいかわ構文
  第5位 母胎ソロ
  第6位 ビッタビタにはめてましたね
  第7位 はにゃ
  第8位 超チルなラッパー
  第9位 ニシパ
  第10位  領域展開

 

私はまったくわかりませんでしたが、みなさんはいかがでしょう?

 

十数年前までは、意味をチェックしようと少し頑張っていたし、数年前までは確認しようとする意識が薄れてきたことに危機感を持っていたけれど、今やわからないことも、意味を確認する気も無いことも自然に受け止めている(笑)

 

 

 

 

2014年のアメリカ映画

 

原題は「While We're Young」

 

ご丁寧な邦題の通り、

 

・ニューヨークのブルックリンに暮らす

 

・ヤングな20代夫婦ジェイミー(アダム・ドライバー)とダービー(アマンダ・サイフリッド

 

・そしてアダルトな40代夫婦ジョシュ(ベン・スティラー)とコーネリア(ナオミ・ワッツ)の対比で描くシニカルなコメディ

 

 

ジョシュはドキュメンタリー映画を撮りながらアートスクールで講師も務めている

 

妻コーネリアとの間に子供はいないけれど、その分自由でクリエイティブなことにも時間が持てる理想的な暮らしだと思っていた

 

 

ある日講義を終えて帰ろうとすると授業を聴いていたジェイミーとダービーが話しかけてくる

 

曰くジェイミーは彼の作品のファンで憧れ同じ道を歩もうとしていると

 

すっかり嬉しくて舞い上がったジョシュは、夫婦4人で付き合うようになり、マンネリ化した自分たちの生活(理想的な暮らしではなかったのか?)に刺激を与えるべく、若い夫婦のライフスタイルから多くを吸収しようとする

 

しかし、20代でしかも感度の高いジェイミーとダービーの生活様式に合わせるには無理があり、また彼らも出会った頃に何かと配慮してくれていたのとは様子が変わり、マイペースに振る舞うようになる

 

 

 

必死で20代の若者たちについて行こうとするベン・スティラーが痛々しく、それを冷ややかに見つめるアダム・ドライバーが嫌な感じ(と単純に感じてしまうくらいふたりの演技が素晴らしい)

 

中年になり落ち着いた生活に満足はしていても、時々若い人から刺激を受けたいと思うのは普通のこと

 

ところがそういう姿勢は若い人から見ると滑稽だったりすることもあるし、それを気にして躊躇してしまうアダルト(!)もいそう

 

基本的に、アダルトが流行りのものに触れて自分をアップデイトしようとする行為は、「恥をかき捨てる」くらいの覚悟で臨む必要があるのだろうし、時々「そこまでする?」と醒めてしまうこともあるだろう

 

その辺りのジレンマを巧妙に描いた作品