引用元:yahoo.co.jp
明日で8月もおしまい
今年の夏もいろいろあって楽しかったけれど、去年や一昨年と比べて特別だったか?と問われるとそんなことは微塵もない
今年も海には行かなかったし、花火も神宮球場でナイターの途中に上がるのを見たきりという、例年通りな夏だった
せめて映画だけでも、と「特別なひと夏」を描いた本作を鑑賞
↓ の予告で、「エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、小津安二郎を彷彿とさせる」
という何とも恐れ多い宣伝文句
この予告は観終わってからチェックしたのだけれど、実は鑑賞中に
「小津映画へのオマージュを感じるなあ、それと韓国版クーリンチェっぽいところもあるなあ」と感じていたので、納得するしかない(ホウ・シャオシェンについても言われてみればあのシーンは、、という風に影響を感じられた)
大好きな三人の監督の名前を挙げられて、しかも表面的な模倣ではなく概念的な部分での影響で、しっかり現代の、そして韓国の、ユン・ダンビの視点で作られた個性も感じさせてくれた
物語の主人公は10代の少女オクジュ(チェ・ジョンウン)
両親は離婚していて、弟のドンジュ(パク・スンジュン)とふたりは、父ビョンギ(ヤン・フンジュ)に引き取られ、三人で暮らしていた
ところが父が事業に失敗してしまい、夏休みのある日、三人は祖父ヨンムク(キム・サンドン)がひとりで住む大きな家に居候することになる
建物は古いけれど、家も庭も広くて立派だ、と新しい環境に喜ぶドンジュだったが、年上のオクジュにとってはそこまで単純に喜べる話でもなく、何となく居心地の悪さを感じていた
しかしその直後に、叔母のミジョン(パク・ヒョニョン)も、夫と暮らす家を飛び出してこの家で住むようになり、5人の共同生活がスタートする
お気に入りのシーン(といっても些細な日常の一コマ)が次から次へと続く中で、一番気に入ったのは、ドンジュが朝ビョンギに起こされる場面
気持ちよく眠っていたところを、学校に行くには遅い時間になって父に起こされ、慌てて顔を洗いに行くドンジュ
顔を洗っている間に(いまは夏休み中だと)気がつき、プリプリしながら再び寝る姿が最高に可愛い
オクジュもドンジュも、もう二度と来ない、オトナの何年分にも相当する成長を遂げる夏を過ごす様子を描いた快作
早くユン・ダンビ監督の次作が観たいけれど、それまでは「クーリンチェ(牯嶺街少年殺人事件)」や「憂鬱な楽園」を観て過ごそうと思う
明日は、ペルー映画をご紹介