無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

775. 冬冬(トントン)の夏休み

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引用元:filmarks.com

 

1984年の台湾映画

 

冬冬なのに夏?と一瞬思ってしまうけれど、本作はホウ・シャオシェン監督自身の幼少の頃の夏の思い出

 

 

小学校を卒業した冬冬(ちなみに台湾では学校の年度は8月スタート)

 

父は病気で入院している母の看病で忙しいため、叔父の昌民に連れられて妹のティンティンと祖父の居る田舎町に夏休みを過ごしに行く

 

ところが途中の駅で列車を降りた叔父と離れ離れになってしまい、仕方なく妹と目的地の駅前で叔父を待つことにする

 

その間、冬冬がリモコンの車で遊んでいると近所の子供たちが寄ってきて仲良くなる

 

遅れてやって来た叔父は冬冬たちを見つけ「お爺さんに(子供たちとはぐれたことを)見つかっていたら殺されてたよ」と安堵する

 

お爺さん宅に着き挨拶を済ませると、早速さっきの子供たちが冬冬を遊びに誘いにやって来て、冬冬は一緒に川に泳ぎに行く

 

子どもたちは皆男の子とあって、ティンティンは仲間に入れて貰えず淋しい思いをするも(無口ながら結構反抗的な性格で)子供たちが河原に脱ぎ捨てた服を川に流してしまう

 

暫くして服が無いことに気が付いた少年たちは仕方なく裸で家に帰るも、見失った牛を探しに行ったひとりが行方不明になる

 

 

 

デジタルリマスターとあって台湾の美しい田舎の風景が楽しめる

 

そして途中で何度も唸らされたカメラワーク

 

「どうしてここで登場人物からカメラが外れて空を映すの?」とか

 

「こんな大事な台詞に列車の通過を被せるのか」等々

 

驚きと納得を繰り返す楽しさ

 

 

 

お父さん役でエドワード・ヤンが出演している

 

本作から7年後に名作「牯嶺街少年殺人事件」が公開されるけれど、本作に携わったことが大きく影響していることを感じさせる

 

 

明日は、日本人監督とフランス人キャストによる映画を紹介します