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1967年の山田洋次監督作品
瀬戸内海に浮かぶ小さな島での話
島民がコーラやラムネを買いに来る売店兼連絡船の切符売り場となっている待帆亭
その店の主、千造(伴淳三郎)は昼間から焼酎を飲んでは医者の伊作(有島一郎)からその都度注意されていた
息子の竜太(中山仁)にはこの店を手伝ってくれている春子(倍賞千恵子)と良い仲だったが、高校卒業を機に大きな挑戦がしたいとブラジルに行くという
春子は離れたくない気持ち抑え、竜太の夢を応援するために酔っ払っている千造を引き付け、その隙に竜太を港へ向かわせる
案の定、千造は怒り息子を罵倒するも、当の本人は地球の裏側で待てど暮らせど何の便りも無く、ひと月経った頃にようやく無事を知らせる便りが届く
そんな中、港に船を迎えに出ていた春子が貧血で海に落ちてしまう
フランスの劇作家マルセル・パニョルの「ファニー」を山田洋次と森崎東(「なつかしい風来坊」のコンビ)が共同で脚本にしたもの
そのためストーリーには若干強引な展開もありながら、瀬戸内の離島に話を置き換える荒業を上手にまとめ、個性的な作品に仕上がっている
竜太が島に帰ってきてからの夫々の反応には夫々の想いがありながら、何が正解かもわからない
道理を優先するのか、世間体なのか、或いは誰か一人の気持ちを優先させるのか
個人個人で意見も異なるし、こうした局面で実に人間性が出る
通いで千造の世話をしているおりんという、何とも気の利かないそしてどこか不気味な老女が印象的
演じているのは北林谷栄で、本作公開時は56歳ながら30代から老女役を演じてきたという女優
「キューポラのある街」、「配達されない三通の手紙」、「天城越え」そして「人間の証明」などで観ているけれど他にも130本以上の映画作品に出演している
明日は、久しぶりにホウ・シャオシェン監督作品を紹介します