引用元:filmarks.com
1994年の三部作最終章
今回のテーマは「博愛」
大学生のヴァランティーヌ(イレーヌ・ジャコブ)には、付き合っている彼が居るものの遠距離で、しかも司法試験に向けて勉強中とあって会うこともままならない
電話で話すだけの彼は疑い深く、ヴァランティーヌが電話に出られないことがあると「浮気をしているんじゃないか」と問い詰めることもあり、彼女も辟易し始めていた
そんなある日、ヴァランティーヌが運転中にラジオのチューニングに手間取った瞬間、犬を轢いてしまう
幸い重症ではなさそうなものの、首輪に書かれていた住所を訪ねると、その家にはちょっと変わった老人男性がひとりで住んでいた
元判事というその男性ヴィルヌ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は飼い主であるにも関わらず、犬の対処はヴァランティーヌに任せると言う
しかも自ら隣人の電話の盗聴をしていることを告白するヴィヌルをヴァランティーヌは非難するも、彼が歪んでしまったきっかけについて話していくウチに二人は特別な心情を抱くようになる
三部作の中で最も難解だった
数年後に観直すなら迷わず「赤」、「白」、「青」の順
また三作品を観終わって振り返ってみると、老女が瓶を必死にリサイクルボックスに入れようとするシーンや、動物や乗り物事故の描かれ方など共通するものがあり、果たしてそれが意味するものは何だろうか?と考えさせられる
1993-1994年の間に、これら三部作を公開するのはさぞ大変なことだったと思う(監督はこの2年後の1996年、54歳にして心臓発作で亡くなっている)
赤色の種類もたくさんあって、日本的なものを挙げると、紅葉色、唐紅、真紅、赤銅色、柿色、撫子色など、一覧を見ているだけでも楽しい
明日は、久しぶりにキム・ギドク監督作品を紹介します