無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

221. 都会のアリス

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引用元:amazon.co.jp

 

ヴィム・ヴェンダースの10作品が公開されている「レトロスペクティブ

 

まずは「都会のアリス」を観に行ってきた

 

 

 

1973年の西ドイツ映画

 

ヴィム・ヴェンダース監督のロード・ムービー三部作の序章

 

ストーリーにそれほど起伏も感動も驚きもないけれど、三部作の中でも、また他の作品と比較しても、ひとつの場面、エピソード、会話が、スナップショットのように個別の魅力、雰囲気がある

 

この辺りで、小津安二郎に影響を受けたとされるのがよくわかる

 

 

 

作家のフィリップ(リュディガー・フォーグラー)は、アメリ旅行記を書こうとするも、なかなか筆が進まない

 

仕方なく撮り溜めた写真などの断片を元にドイツに帰ってから書こうと、上司に掛け合い帰国することにする

 

空港で(ストライキのせいでドイツへの直行便がないことを知り、途方に暮れていると)9歳の少女アリス(イェラ・ロットレンダー)を連れた母親(リザ・クロイツァー)から

 

「この娘をアムステルダムまで」連れて行ってもらえませんか

 

と頼まれ、連れて行くだけならと了承する

 

ところが現地で再会するはずの母親の姿はそこになく、あやふやな少女の記憶を頼りに祖母の家を目指す羽目になる

 

予定外の面倒な出来事が起こって先の見通しも立たないというのに誰一人焦っていないのが何とも微笑ましい (フィリップは建前上焦っているように振る舞っているけれど)

 

祖母の家についてアリスは住所も知らず、地図を頼りにフィリップが片っ端から街の名前を読み上げ、ヴァッパータールという地名にアリスが反応したことで現地に行きレンタカーを散々走らせた後に(「喉が渇いた」と言って立ち寄ったカフェで)「やっぱりヴァッパータールじゃなかったかも」とつぶやくように平静を装って(しかし装えていない)言うアリスと、それを聞いて怒るでも悲しむでもなく(何も言葉は発しないけれど)「でしょうね」と言わんばかりの表情をフィリップがするシーンが何とも言えず印象的

 

随分前に買ったDVDがあるので何度か観ているから、ゆったりした心持ちでレストア版を劇場で楽しめた

 

アメリカのノースカロライナやニューヨーク、アムステルダムミュンヘンなどの当時の様子が楽しめたのも良かった

 

そして今回エンドロールで Musik CAN という表記を発見

 

1973公開の作品の制作時期としてはダモ鈴木の在籍時と重なる(ヴォーカリストの彼が本作の音楽にかかわることはなかっただろうけれど)

 

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